出版から3年
拙書『ツボがある本当の意味』を出版したのは2019年3月。もうすぐ3年が経とうとしています。鍼灸師になったときには、自分が出版することになるなて思っていませんでした。
誰でも出版にチャンスはあります。ただ、誰でも出版を目指すべきという考えを伝えたくてこの文章を書き始めたわけではありません。出版というものがどういうものか、そのメリットとデメリットをお伝えすることが目的です。
きっかけはブログ
2014年の7月から『温故知新』という鍼灸師や柔道整復師を対象にした業界誌で『鍼灸師のための経穴デザイン入門』という連載をはじめました。この連載の記事が、拙書『ツボがある本当の意味』の原稿の7割を占めています。
連載をはじめたことを紹介している懐かしい記事がこちら
「鍼灸師のための経穴デザイン入門はじめました。」
なぜ、この連載の執筆に声がかかったのかを考えてみると、十中八九このブログです。このブログが目に止まったのです。ブログを書き続けていると、いろんなことが起こります。
ブログが時代遅れでも関係ありません
最近は、YouTubeなどの動画、InstagramやTikTokなどSNSのパワーもすごいのでブログにノスタルジーを感じてしまうかもしれません。
しかし、ブログの価値は変わりません。偉そうに断言してしまいましたが、私は一時ブログへの情熱を失って、発信がTwitterに移っていました。しかし、ブログを主戦場の戻すことにしました。
理由は、ブログが書いていて一番楽しいからです。時代がどうこうじゃなくて、やっていて楽しいのがブログなのです。楽しい理由はいろいろですが、ブログを書くと頭の中が整理できるからです。書くことは考えることだからです。
もちろん、Twitterだって書くわけですから頭の整理には役立ちます。ただ、どうしてもリアクション(いいね)に気持ちが傾いて、書く目的(頭の整理)がぼやけてしまいます。リアクションがどうであれ、書くことに価値を感じているわけですから、それを一番大切にしようと思ったのです。無理ないところで、週1回のペースで更新を目標にしています。
文章というのは書くほどに書けるようになっていくので不思議です。書いていないと、どんどん書けなくなっていきます。そして、終いにはやる気を失っていくのです。まるで筋トレ。
書いていたら何か起こりそう。
ブログを書く理由はこれだけで十分です。何かが起こらなくても普通です。
連載が決まった時から出版するつもりだった
連載の話が来たとき「これは出版するチャンスだ!」と感じました。中学生の頃から文章を書くのが好きだったので、大人になったら出版したいなぁと漠然と思っていました。
連載は毎月1回でした。原稿料はありましたが、執筆に使った時間を考えると100円にも届きません。一本の原稿を書くのに何日もかける場合がありましたから。参考図書の購入代金を入れたら原稿を書けば書くほど赤字です。
でもモチベーションには影響がありませんでした。お金目当てでやっていたわけではなかったからです。
このとき、書籍化は個人的な想いですから、書籍にできる保証なんてありませんでした。そして、連載から2年後、あることが起こりました。
連載していた『温故知新』が終了
諸事情により、業界誌の『温故知新』が終了することになりました。それにともなって連載も終了です。理想的だったのは『温故知新』の会社から出版することでしたが、それは現実的でないと考え、出版社を探さなければなりません。
最初に思いついたのが、活法のDVDの出版でお世話になっていたBABジャパンです。3本のDVDを出しています。私も企画や撮影で関わっています。
それがこれです。
このときの担当者に連絡をとってみたら、書籍担当の方を紹介していただけました。さっそく会うことになり、品川のルノアールで待ち合わせしました。
持ち込み原稿
私の鞄には、原稿を印刷したものが入っています。担当者と挨拶を交わすとさっそく原稿を渡しました。何枚かに目を通すと「面白そうなので持ち帰って会議に出します」と。緊張する瞬間です。
新人作家が出版社に原稿を持ち込むときの、あのシーンを思い受けべてください。あれです。
数日後、返事が来ました。出版できるとのことでした。ただし、原稿が少ないので書き足しが必要となりました。たしかに、一冊の本にするには少なすぎるのです。書き足すことを承諾して、話が決まりました。しかし、その前にやることが一つ残っています。
原稿料を全額返金
『温故知新』に出版のことを伝え、原稿料を全額返金し、原稿の権利を私に戻しました。こういう場合のルールがわからなかったので、私の方から「お返しするので原稿の権利を私に戻すことはできますか?」と切り出しました。それでOKとなり、BABジャパンと話を先に進めることになりました。自分書いたものを買うという、奇妙な経験でした。
ゴーストライターは?
追加の原稿を書くのに、少し時間をもらいました。半年くらいかかったと思います。ちなみに、原稿はすべて私自身が書いています。よくあるのが、取材を受けてしゃべってそれをライターが原稿にするというパターンです。健康系の書籍の多くはこれです。
私の場合、原稿にはほとんど手が入らずそのまま出版することになりました。ただ、表現の修正や誤字脱字のチェックを入社したばかりの岡本(悠馬くん)に任せました。彼は大学で中国語の講師をしたり、中国語の書籍を日本語に翻訳するなどしているので適任でした。
出版記念イベント
無事に2019年の3月に出版することになりました。それに伴ってイベントを開催することになりました。もう懐かしい感じです。考えてみれば、この1年後にはコロナ禍が始まっていたのです。かろうじてコロナ前です。
その時のブログがこれです。
「鍼灸師と医師で解き明かす 経絡とツボの正体」(イベント 東京3/24)
Amazonレビュー、気になる★の数
気になるのは評価です。この本は、評価が真っ二つに分かれるだろうと予想していました。そもそも、そういう内容の本だからです。「教わったことを考えることなく信じていいの?」というメッセージが強いからです。
たとえば「経絡(けいらく)」。鍼灸医学の世界では、当たり前のように「ある」という前提で話が進んでいて、疑問を挟んだらいけないような空気になっています。
『ツボがある本当の意味』は、鍼灸業界の空気を読んだら絶対に書けない本です。敵ができても仕方ないと思えなければ書けません。
Amazonレビューには、★1つがたくさん入るだろうと思っていました。と思いきや、★5が意外と多くてびっくりました。
気構え次第ですがレビューは面白いです。悪い評価も含めて何度も読んでいます。もし、このブログを読まれている方で、完読された方がいらっしゃいましたらレビューをお願いします。一言だけでも参考になります。
集客効果は?
鍼灸師や柔道整復師、その他の民間資格の方が一般向けに本を書く場合は、集客が目的のことがほとんどです。
私はと言うと、上に記した通り、同業者向けの原稿から始まっているので、一般向けとしては内容が難しめです。治療法をわかりやすく紹介した本ではありませんから、予想していた通り、この本を読んだ方から「治療を受けたいです!」と言われたのは数えるほどしかありません。
患者さんを集める効果はほぼゼロでした。ただ、鍼灸師や鍼灸学生が読んだ後にセミナーに来てくださるので、セミナーの集客効果は少しありました。今でも、そういう声が聞こえてきます。
また書きたいか?
出版には前向きです。ただ、記事がなければどうにもならないので、日頃の執筆を大切にしていこうと思います。今は連載がありませんので、このブログを主な舞台としてやっていきます。SNSも大切なのですが受信者のリアクションが早いので、読み手の反応を気にしすぎて本当に書きたいことを書けているのかわからなくなります。
カタカタとキーボードを打ちながら、思考をコトコト煮込んでいきます。
実技動画はじめました!
いくら思考が深くても実技に反映されていなければ、臨床家としては意味がありません。ですので、Twitterにショート動画をアップすることにしました。テーマが思いついたらアップしていきます。
【短鍼の痛くない刺し方】
刺鍼点の皮膚を軽く引き、鍼を当てると同時にポンと離す。鍼を持つ手は「刺す」というより「置く」という意識。迷わず素早く行うのがコツ。 pic.twitter.com/h5S1XUGET4— クリ助@気が見えない鍼灸師 (@kuri_suke) January 18, 2022
twitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kuri_suke
・はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
・はりきゅうルーム カポス(東京/品川駅)
・整動協会(鍼灸師のための臨床研究会)





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