本日、2年ぶりに新しいカリキュラムをリリースしました。2日間のセミナーでシェアしていきます。1日目を終えて宿泊の部屋で一息ついているところです。気持ち的に落ち着いたものですから、今の心境を残してから床に入ろうと思います。
ついに経絡原糸編が完成!
これ開いたらみんなビックリすると思う。
年末にかけて楽しくなるぞ😏#整動鍼 pic.twitter.com/G1JhxrWZNx— クリ助@鍼灸師 (@kuri_suke) November 11, 2023
セミナーを事業として始めたのは2009年ですから、もうずいぶん昔の話です。最初は、活法(かっぽう)という古武術由来の整体を教えていました。「鍼灸師なのに整体?」と思われるかもしれませんが、巷の整体から学べるものはたくさんあるのです。
私はあん摩マッサージ指圧の免許ももっているのですが、こうした技術に含まれないテクニックが数え切れないほどあります。特に活法はその宝庫だと感じました。現に私の鍼灸師人生を大きく変えるきっかけとなりました。出会っていなければセミナー事業を始めることもなかったですし、「整動鍼」という新しいコンセプトを提唱することもありませんでした。
整動鍼を初めて世に出したのは2014年。従来の鍼灸とは違う考え方をするので、最初は批判的な意見もありましたが最近は肯定的な意見ばかりです。続けてきて本当によかったです。とはいえ批判を受けてこそ成長するものですから、今もご意見から目を背けないようにしています。
誤解されがちなので補足すると、整動鍼は流派ではありません。ですから習いに来てくれる鍼灸師は門下生ではありません。言うなれば整動鍼というコンセプトの賛同者たちです。
そのコンセプトは「ツボとツボの間には張力のネットワークがある」というものです。ツボとツボは人体が力学的なバランスを取るために必要な要所であると捉えています。いっぽう、従来のものは「ツボはエネルギーが流れる通り道にある」と考えています。
ツボがツボに、またそのツボはまた違うツボに影響しあってて、でたぶんそれは解剖学的に理由がついたり、発生学的なものだったり?ツボの反応をひたすら追いかけてくとそれがネットワーク化してく。テンセグリティというかツボグリティというか。世界広がる。すごい。
— 岩崎 大貴 Hiroki Iwasaki (@Dirhirokiiwa) November 10, 2023
受講者さんたちに繰り返し言っているのは「従来の考え方が全てだと信じてしまうと得られる恩恵が減ってしまう」という話です。従来の考え方では理解できない現象が新しい考え方で理解できるのです。
従来の鍼灸を一言で表せば「経絡(けいらく)」という言葉で表すことができます。経絡とは体内に流れるエネルギーの通り道です。この経絡は実体が明らかになっておらず、鍼灸業界のミステリーです。否定する鍼灸師もいます。
私は推測や願望を入れたくないので「実体は見つかっていないが、鍼灸師のガイドラインの一つとして機能しているもの」であると考えています。
「一つとして」の部分が肝です。他にもあると考えているからです。一番もったいないのは、経絡を唯一のものであると信じてしまうことです。人体で起こる現象を経絡で説明することには限界があります。対応できる症状が限られてしまうのです。
解剖学では理解しきれないツボの世界。だからといって精神世界の話じゃない。ツボは解剖学では説明しきれない構造的原理としてあるんだと思う。
— クリ助@鍼灸師 (@kuri_suke) November 12, 2023
鍼灸は不思議なもので、解剖学では説明できないことばかりが起こるのです。医学部を出ている医師でも不思議がります。不思議なところばかりに目を向けるとスピリチュアルな世界に引き込まれやすくなりますが、解剖学から完全に離れてしまうのは危険です。
鍼灸師のポジション取りはむずかしく、解剖学に偏りすぎたら鍼灸独自の効果を見逃してしまい、スピリチュアルに偏りすぎると科学から離れて根拠を示せなくなります。うまくポジション取りができずに悩んでいる鍼灸師も少なくありません。私もその一人でした。
そこから抜け出すためにもがいて到達したのが「整動鍼」というコンセプトなのです。整動鍼は解剖学的な知見を尊重しつつも、そこからはみ出てしまう現象を何とか説明しようと試みています。そのアイデアとして「張力」を用いています。
張力はゴムを引っ張ったら縮むアレです。人体にも伸び縮みする筋肉があって、その筋肉が生み出す収縮力を利用して動いているわけですから張力が発生しています。その張力の起点にツボがあると仮定して理論を展開しているのです。
解剖学では、筋肉の構造で人体を理解するので筋肉が実際に繋がっているかどうかが重要ですが、整動鍼では実際の構造がどうであれ、変化を観察できたなら何かしらの関係が存在していると見なします。もちろん再現できるものだけしか採用しません。
再現できているかどうかは、関節の可動域の変化やツボの触診で確認しています。最初は私自身が再現できるかどうかを試し、次に近くにいるスタッフが試します。それで再現ができればセミナーに持ち込みます。そして受講者の鍼灸師がそれぞれの現場で試すという流れです。
受講者さんにまで試させているのかとお叱りを受けるかもしれませんが、受講者さんは私が何十回、何百回、時には何年もかけて検証をしているのを知っているので、セミナーに持ち込まれるものは相当再現性が高いと信じてくれています。その上で検証に参加してくれているのです。
鍼灸には古典がありますが、伝統は「昔の人が書いたものは正しい」と信じることではありません。検証を積み重ねたものが伝統になっていくと考えています。
こちらもよろしくお願いします。
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