鍼灸院を経営する理由(8)のつづき ☆はじめから読む→(1)
半年が経とうとする頃、鍼灸の患者さんが18人になり、私は意気衝天。
ある日、私が出勤すると分院の院長に呼ばれました。
翌々週から本院に行くように言われました。
「本院に行く」って言うと、出世でもしたのかと思われがちです。
いえいえ、その逆なんですよ。
本院に行ったら鍼灸はできなくなります。
「また、やってもいいよ」とは言われましたが、また一から患者さんを集めなければなりません。しかも、分院のような自由さはないことが明らか。カイロプラクティック至上主義の本院で、新人鍼灸師がマイナーになるのは必至です。
目的は明らかでした。鍼灸の患者さんが増えすぎたために、本来のマッサージ業務に支障がでてきたのです。経営的な理由です。カラクリ(保険がらみ)があり、マッサージ業務を行っていた方が収益がよいのです。「鍼灸をまかせられる人材」という建前で雇った手前、直接的に鍼灸を奪うことができません。そこで、実質的に鍼灸が不可である本院への異動命令を下したのでしょう。
本院で出直すか、辞めるか、悩みました。
辞めたら収入が減ります。一週間に一度の勤務でも、恵まれた給料をもらっていたので、なくなるとかなりの痛手です。生活もあるので簡単には辞められない現実があります。
考えた末、辞めることにしました。


コメント
なんか、いやらしい話ですね…。でも、鍼灸のみでそんなにお客さんを集められるクリ助さんはやはり凄い方だと思います。私もクリ助さんのような鍼灸師になりたいと思っています。
>学生さん
もし“鍼灸のみで”とお考えであれば、鍼灸独自のアピールポイントを探すとよいと思いますよ。そういうところがうまくいったのかもしれません。でも、18人になったのは私の力ではなく、よい条件に助けられただけのことです。辞めて自分一人になった時、失ったものの大きさに気が付きました。失ったものとは「場」です。「場」については次回に。