腰痛にだまされない具体策

前回の「言葉にだまされる」では、言葉一つで施術方法が変わることを書きました。
そこで例に挙げた4つの腰痛パターンの具体的な施術パターンを導きます。

ここから、クリ助的にどうしているのか紹介します。
すべての鍼灸師が同じパターンではありません。私の方法がベストでもありません。現在のクリ助のベストです。

1.痛みで目が覚める

眠れないほど痛みが強いことが考えられます。痛みの緩和に専念した施術を第一に考えます。ツボには鎮痛効果の高いものがあります。最終的に痛みを感じるところ、苦しいと感じるところは心です。その心とのつながりの強いツボを優先して使うことにより、鎮痛効果を狙います。

また、痛みに熱が関与している可能性もあります。インフルエンザの高熱で体のあちこちが痛くなる原理です。熱を冷ますには、清熱作用の強いツボを使います。手足の末端にもありますが、背骨上のラインなども多用します。

2.目覚めた瞬間に痛みに気が付く

寝ていた姿勢によって症状が悪化している可能性があります。他に同じ姿勢を続けて痛みが悪化する場面がないかどうか(たとえば、クルマの長時間の運転)を確認します。

東洋医学では、肉体(精神も含む)の循環システムが滞ることを「気滞(きたい)」と言います。寝ている時はほとんど筋肉を使わないため、循環が悪くなりやすいと言えます。筋肉のポンプ作用が働かないからです。健康であれば問題ない程度でも、もともと循環が悪い場合は、寝ているという状態が負荷になります。

気滞が関与しているときは、それに適したツボ、つまり流れを改善させるツボを使います。

3.起き上がろうとした瞬間に痛みが強い

起き上がり動作が苦手という可能性があります。動作時に負担のかかる関節や筋肉をポイントに施術します。最初に観るのが骨盤の動きです。骨盤にある仙腸関節と言われるところは、姿勢を変える時に、微妙に動いて(もともと微妙にしか動かない)動きをなめらかにしてくれます。人間がロボットと違ってなめらかに動けるのは、各部が協調しているからです。人間の動きはハーモニーです。このハーモニーが乱されたとき、体は悲鳴をあげます。痛みは不協和音です。

不協和音が聞こえるときは、骨盤に働きかけます。
クリ助は、骨盤を調整するのに膝とふくらはぎにポイントを置くことが多いです。

4.朝の時間帯に痛みが強い

気温との関係が疑われます(朝の冷えなど)。また、朝の家事で疲労して痛みが強くなるのかもしれません。

朝の冷えが原因だとすれば入浴などで緩解することが多いため、入浴の前後で症状が変化するかを確認します。入浴で緩解することがわかれば、温める作用のあるツボを選びます。また、灸の方が効果が温める効果が高いので、鍼よりも灸を使うケースがよくあります。

朝の家事がポイントなら、中腰姿勢や前傾姿勢の負荷が考えられます。冷蔵庫から食材を出し入れする動作、食器洗い、掃除機など中腰や前傾ですよね。こうした場合、クリ助がポイントにするのは膝の内側です。

■連動性の回復がツボ

1~4のパターンで全てが決まるわけではありませんが、改善策をかなり絞り込むことができます。あとは、具体的に痛む場所をしっかり見定め、動きの連動性を回復させるように工夫します。痛いところに直接鍼をしたりお灸をすることもありますが、それよりも重要視しているのは連動性です。

痛いから動けないというのも正解ですが、動かないから痛いというのも正解です。
前者であれば、局所(痛いところ)に鍼をして鎮痛させればよいです。でも、これだけでは不十分です。渋滞の原因となっていた事故現場の処理ができても、二次的に生じてしまった各方面の流れはすぐに解消できません(すぐ解消できるのは軽い症状なので局所のみでOKのことがあります)。

全体の調和を調えることで施術の完成度は高くなります。道路でいえば、信号のタイミングを最適化してクルマの流れをよくするようなことです。

「調和」すると、痛みが取れるだけでなくフッと軽くなります。

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by鍼灸養気院(群馬県)

コメント

  1. Blue より:

    はじめまして。興味があり勉強になることが書いてあり読ませてもらいました。針のことでお聞きしたいことがあります。首と肩こり、腰痛のため鍼灸院に行っています。女性専門の予約制の針をやっている所を知人に紹介され通っています。他に我慢できない時は指圧に行っています。いろいろあり一ヶ月治療に行けず、今日は久々に指圧に行きました。今日はこりや張りがひどく肩と腰だけサービスで針をやっていただけました。女性専門の所は刺した時も刺さっている時も痛みがありません。今日初めてやった指圧での所は刺さった後痛みがあり、神経に触っているのではないかなと思いました。刺した後針を揺らし痛みを確認してました。ビリビリというか鈍痛というか痛いと声がでてしまうほどでした。どちらの治療が一般的なのでしょうか?痛いほうは怖かったです。

  2. クリ助 より:

    >Blueさん
    ブログを読んでくださってありがとうございます!
    早速、質問に答えます。
    ビリビリとした鈍痛は、専門的に「響き(ひびき)」と言われるものです。コリなどに鍼が当たった時に感じることがあります。意図的に響かせるところもあれば、響かせないようにする場合もあります。私個人のことを言えば、使い分けてますが、鍼灸師によっては響きを好んだり、好まなかったりです。どちらが一般的かというと、どちらも一般的ですね。響いても神経に刺さって害があるという心配はないです。
    Blueさんが響きを好むか、好まないかという問題になってくるかと思います。
    「本当は響いてほしくないけれど、響いた時の方がよく効く」という患者さんもいますので、単純に患者さん側の好みで処理できないところもあります。
    鍼灸師としては、患者さんの好みに反していたとしても、高い効果が見込め、効果に満足して頂けると判断すれば、その場を我慢して頂く場合もあります。好みに反して効果もなければ、鍼灸師の腕が至っていないか、相性が悪いかのどちらかです。
    また何か鍼灸に疑問がありましたらコメントにて質問してくださいね。田舎の一鍼灸師でしかありませんが、お役に立てることがあれば喜んで。

  3. Blue より:

    お返事ありがとうございます。
    週1で針の治療院と指圧治療院を交互に通っていました。
    先月仕事を退職したことで金銭的に厳しく治療に行くことができませんでした。今日新しい職場になる予定の面接だったため昨日久々に指圧してもらいたかったんです。
    今朝起きたらめまいがありました。
    もともと11月からめまいがあり、耳鼻科に行き薬を飲んでいます。
    耳鼻科で肩凝りも取らないと治らないと言われ凝りをほぐしたいと思い二カ所治療院に行きはじめました。
    面接が午後だったため薬を飲み車はやめ電車で行き無事面接終了しました。
    今朝は肩凝りや首がすごく凝っていて、何となく気持ちが悪くだるくて仕方ないです。
    自分には「響く」ほうの治療は合わないのかもしれないです。
    神経には触ってないと聞き安心しました。

  4. クリ助 より:

    >Blueさん
    安心して頂けてよかったです。響きは普段味わうことがない感覚ですから不安に思う方が、Blueさんの他にもたくさんいらっしゃると思います。私達鍼灸師からすると、この響きと上手につき合うことが大事かもしれません。
    まめいは、頚の胸鎖乳突筋という筋肉の左右のアンバランスなどを伴っていることが多いです。胸鎖乳突筋が緩んで左右が調整されるとほとんどのめまいは緩解に向かいます。通院されている鍼灸師に相談されてみてはいかがでしょうか(既に相談済みでしたら読み流してください)。

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