「痛いところに鍼をするわけじゃないんですね。」
と患者さんによく言われます。
クリ助はほとんど痛む場所そのものに鍼をすることはありません。
局所から離れた関連部位を使います。
受けたことがない人は思うはずです。
「それで効くの?」
さっそく結論です。
効きます、よく効きます。
局所では得られない効果があります。
その差を解説する前に、鍼をした場所で何が起こるのか、という基本をまず。
鍼をしたところは血流が改善します。その結果、筋肉が和らいだり、痛みが和らいだりします(厳密にいえば未解明なところもあります)。辛い所に鍼をすると、局所ですぐさま好転が見られます。
こった肩に鍼をしたり、腰が痛いところに鍼をする、とラクになるのは、血流が改善するからと理解しておくのでよいと思います。
「不通則痛、通則不痛」(通らないと痛い、通れば痛くない)
という言葉が東洋医学にあります。
血や気が通れば痛くなくなるという意味です(気の説明は省略)。
鍼は通りをよくするものです。
通りをよくして改善を促します。
鍼灸を語る上で忘れちゃいけないのが「経絡(けいらく)」。
経絡は気の流れる通路です。でも、経絡は目で見ることはできません。
血は見えるけど、気は見えない。
血管は見えるけど、経絡は見えない。
鍼灸の醍醐味は見えない「気」と「経絡」を扱うところにあります。
痛い所と鍼をするところが離れていても、経絡でつながっているため効果が得られます。
「なぜ、わざわざ離れたところに?」
離れた所より局所にした方が効果が高いと考えることもできますが、実際はそんなに単純ではありません。わざわざ遠隔に鍼をするにはいくつかの意味があります。
1つはリスクの軽減。
痛いところは傷ついているところでもあります。
鍼灸用の鍼は極めて微細で組織を壊さないように工夫をされています。でも、効果があるのはその微細な刺激によるものです。いくら微細とはいえ、局所が過敏な状態であれば肉体にとって負担です。もちろん、明らかに局所に触れていけない状況の場合、どんな鍼灸師でも手を触れません。
2つめは循環システムの回復。
東洋医学で重要なのは流れです。
たとえば、交通事故。幸い無傷。でも、事故車が道をふさいでしまったため離れたところにも交通渋滞が起こってしまいました。1キロ離れた場所で、イライラした人がケンカを始め怪我をしてしまいました。
交通事故が起こったところが気の滞り、
ケンカが起こったところが痛む場所、
とすれば、遠隔に鍼をするのは、交通事故現場を早く片付けるということになります。
渋滞解消という情報がいっせいに体に回るので、イライラはあちこちで解消。ケンカした人も仲直り。
そして、もう一つ大きな意味があります。
肉体の運動に着目したとき、遠隔であることが大きな意味を持ちます。
動かないから痛い、動けば痛くない
ということも大事な事実です。
このブログで一番強調したいところですが、私の知る限り意識している鍼灸師は少ないです。なぜなら、これは活法にある理論だからです。活法を知る鍼灸師はまだまだ少なく、この理論を使う人が少ないのです。だから、早く広めようと思っています。
「不動則痛、動則不痛」
という言葉を勝手に作りました。
詳しくは次回に(不動則痛、動則不痛)。


コメント
痛んでいないところに鍼をする方法
大好物です(^◇^)
続き首長くして待ってマース
>夜間学生さん
ありがとうございます。
続きは手が空いた時に書きますね!