
■空回りの時期
私はあの時の一言を忘れた事がありません。
いつのことか詳しくは書けませんが、開業して間もない頃です。
ある勉強会で症例を発表しました。
私の発表を聞き終わったあと、Sさん(初対面)が、こんなことを私に言いました。
「この症例から学ぶものは何一つない」
続けて、彼はこう言いました。
「ここでは、そういうやり方はしません。」
その言葉は勉強にならない不満を吐き出したものでした。私は動揺しました。患者さんを診て得た情報、感じたことを表現し、それが全否定されたわけですから。Sさんの言葉は私の心を配慮していませんが、Sさんのクレームは妥当だったと思います。場違いなことをしたのは私です。
その頃の私はかなり悩んでいました。学びと実践に大きな溝が生まれて、かみ合わないストレスを感じていたのです。自分が感じていること、見えていることが、理論に結びつけられなかったからです。
自分の感性を有効利用できない鍼灸師人生。違和感を抱いていました。
Sさんの言葉で違和感が危機感に変わりました。「このままではマズイ」という。
決断することにしました。自分の感じるままにやってみようと。ただ、開放的な気分とはほど遠いものでした。それまでのルールから外れることに罪悪感があったからです。
そんな気持ちとは裏腹に患者さんが増えていきました。
忙しくしているうちに、迷いはだんだん消えていきました。
活法と出会ったのは、それから数年後のことです。
これも運命的です。
■正解は自分で探す
こんなことを書いているのは、Sさんを悪く言いたいからでも、勉強会を批判したいわけでもありません。私に転機をもたらしてくれたSさんには感謝していますし、勉強会で学んでたことは、違う畑で芽を出しています。
鍼灸に正解はありません。
正解は患者さんが決めることですし、鍼灸師は自身が正解だと思うことを信じ突き進むしかありません。
Sさんの言葉は、今でも私を突き動かしています。
「あなたの症例から学ぶものは何一つない」
Sさんの顔は全く覚えていないのに、言われた事はしっかり覚えています。
一生忘れることはないでしょう。
■ブログの現状
このブログ、1日の訪問者数が600人を越えています。ページビュー(PV)は1600回以上。世の中の人気ブログに比べたら自慢できませんが、このマニアックな鍼灸ネタでこの数字は健闘している方ではないかと思っています。「鍼灸」や「鍼灸師」で検索しても、1ページ目に出てくれます(2013年2月現在)。Sさんのおかげです。
もっと上に登りたいと思っています。目標の訪問者数は1000人/日です。情報を出し惜しみする余裕はありません。もっともっと技術も感性も磨かなければ、到達できない数字だと思っています。でも、必ず達成できると信じています。
私がブログにこだわる理由。
それは、私を応援してくださる方が増えるからです。鍼灸師の仲間、異業種の仲間。そして私の鍼灸に期待を寄せてくださる患者さん。
私一人では何もできません。仲間が必要です。群馬の田舎で一人でやっているためか、なおさら仲間が恋しいクリ助です。
ここまで本当にありがとう!
そして、これからもよろしく!


コメント
数年前から拝見しております。ありがとうございます。大変勉強になります。これからもよろしくお願いします。
この世界に関わりをもってから4年が過ぎようとしています。(学生時代も含む)
駆け出し鍼灸師として、今は少ないながらも患者さんに関われることに感謝しています。
学会などに参加させてもらったり、様々な流派の先生方とお会いする機会が多かった中で感じたこと。
「なんて排他的な雰囲気なんだろう」
自分達の信じる考えは曲げる必要はありません。
しかし、他人の信じる考えを否定する必要はないはず。
むしろその中から少しでも自分のためになる内容を吸収すればいいだけなんですよね。
はじめまして、異業種ではありますが、クリ助さんの治療に向き合う姿勢に感じるところがあり、少し前から拝見しています。
きょうのコトバ「危機感」は、まさに今の私の状況を語ってるかのようです。日々模索しております。「自分の感じるままにやってみよう」は、ひとつ勇気がでるコトバです。
私もいろいろ模索中で臨床で悩んでいたころクリ助さんのブログに行き着きました。
読んで毎回勇気がわいてきます。
こんなにも惜しみ無く技術を臨床のヒントを教えて頂けるブログは他にないと思います。
本当に感謝しています。
これからも宜しくお願い致します。
私も頑張って精進しています。
>のりさん
いつもありがとうございます!
これからも応援よろしくお願いします。
>どらきゃさん
結果が出るものは、あえて否定する必要はないんですよね。もちろん、選ぶ(採用する)かどうかは、別として。
勉強会でも、柔軟な姿勢で私の話を聞いてくださる方もいます。たまたまSさんに受け入れてもらえなかっただけかもしれません。現在、私の周りには頭の柔らかい人ばかりで、私も好きなことが言える環境です。
ブログは、主張がないとつまらないし、時にそれがどこかの誰かを否定するなんてことになっているかもしれないので、気をつけています。
どらきゃさん、これからは排他的な雰囲気でなくなると思います。そういう願いもあって、この記事を書きました。
>ひよこ整体師さん
共感していただけて嬉しいです。
ご自身の感性を信じてやってほしいと思います。思い込みを捨て、感じることは、正解になると思います。どんな仕事でもそうだと思うのですが、迷う時期ってありますよね。上手に抜け出せるとレベルアップしているのでしょうね。
>はり太郎さん
模索する時期って誰にでもあるんですね。私だけではないと安心します。ツボや臨床の話を書くときは、堂々と書くようにしていますが、実は、そこに至るまでには数々の試行錯誤があります。
これからも、臨床で気がついたことを私の感性で綴っていこうと思います。はり太郎さんの臨床の参考になれば嬉しいです。
前回のコメントからひと月経ってしまいました、すみません。
いや~、いかにも鍼灸業界に多そうな
人ですね、Sさん(笑)。
場違いなことをしてしまったとクリ助さんが
書いていることから、少し気分を害していた
のかもしれませんが、だとしても余裕が無い発言ですね。
それに引き換えショックな一言をターニングポイントに変えてしまうポジティブなクリ助さん。
学ぶ気持ちがあれば、どんな症例でも
ヒントは転がっている気がします。
他山の石ということですね。
>ジャッカルさん
お久しぶりです♪
どの業界もそうだと思うのですが、いろいろな考え方の人がいますよね。Sさんに余裕がなかったのかもしれませんが、私はもっとなかったですよ(笑)
大きなショックを受けましたからね。
でも、そのショックを救ってくれたのも症例を発表した勉強会でした。症例に興味をもってくれた人もいて、全否定は免れました。
この記事を書いて、いつでも学ぶ姿勢を忘れないようにしたいと改めて思いました。