産後の女性の症例です。
数ヶ月前から手首の小指側に痛みが出ていて、何をするにも痛みが出てしまうそうです。こうした手首の痛みを私は背中のツボからアプローチすることが多いです。今回はその典型例です。
手首を小指側に曲げる(専門的に尺屈と言います)と痛む場合は、まず胸椎の4番を疑います。この症例は狙いがピタリと当たりました。完全に痛みは取れていないようですが、大幅に改善しました。
こうした現象は面白いです。手首の動きが背骨の動きと密接に関わっていることが実に面白いと思いと思います。患者さんも不思議がりますが、私も人体の不思議に酔っています。こうした身体のルールは、解剖してわかるものではありません。鍼をしたツボと患部(手首)が一本の筋肉でつながっているわけでもなく、直通の神経があるわけでもありません。
ここに書いていることは、丁寧に死体を解剖してもわからないでしょう。生きている人間をじっくり観察することで見えてきます。脳は身体を巧妙にコントロールしています。手首と背中にホットラインがなくても、脳の機能は常に両者を見張って管理しています。
脳の専門家ではないので詳しくわかりませんが、脳は身体を動かすとき、秩序が乱れない(バランスが崩れない)ように、同時並行的に複数の関節や筋肉の動きを調整しています。手首を動かす場合も滑らかに動けるように脊柱が微妙に動きながら助けていると考えることができます。
私が使っている古武術鍼法は、動きを助けることが基本にあります。動きがラクになれば関節の負担は減り、痛みが軽くなるのです。炎症が軽ければその場でサッパリしてしまうこともあります。この方法が他の方法と決定的に違うことは、痛みではなく動きにアプローチしていることです。
この症例は、胸椎の4番の動きを改善させるために「夾脊の胸椎4番」を使用しました。必ずこのツボが役立つとは限りませんが、手首の痛みが背骨で取れることは知っておくと便利だと思います。
私がベースとしているのは「活法」と言われる古武術整体です。鍼灸師にには馴染みのない考え方ばかりですが、東洋思想がベースなので相性がとてもよいのです。
最後に、コラムとセミナーの案内です。
■トワテックに連載中のコラム
第1回 螺旋運動の重要性を古武術から学ぶ
第2回 痛みが姿勢を歪ませるメカニズム
■セミナー案内
特効穴と有名穴の治効メカニズムを古武術で解く(古武術鍼法プロローグC日程)
2014年2月23日(日)定員20名(先着順)
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・鍼灸養気院(群馬県伊勢崎市)
・鍼灸ルーム品川カポス(東京都港区)
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