今回は鍼灸師の英語学習について書いてみようと思います。鍼灸師の英語なんて必要ないと言ってしまえばそれまでで、できなくても鍼灸師として生きていくことはできます。一番大切なのは、鍼灸の確かな技術です。
私は海外で講師をしたことがありますので、そのときの経験から思ったことを書きます。また、現在行っている英語学習の方法と目的にも触れていきます。
英語より大事なこと
一番重要だと思うことから書きます。
いくら英語が上手くなっても、スキルを身に着けていないと仕事では役立ちません。私は鍼灸師なので鍼灸としてのスキルがあってこその英語です。英語がネイティブ級に上手くなってもスキルがなければ、日本で日本語がしゃべれる人と同じ立場です。
私が講師をしたのはスペインなので英語ではなくスペイン語が必要でした。スペイン語のスキルが全くないので通訳をお願いしました。スペイン語ができなくても鍼灸の技術があれば成立します。鍼灸のスキルがあったからこそ、私の話に興味をもってもらえたのです。何にもなければ、通訳を介してまで話を聞こうと思う人などいません。
語学が趣味や楽しみでない限りスキルあっての語学です。冒頭で書いたように、海外に行く予定がなく、日本語ができる患者さんのみを迎えるのであればスペイン語も英語も必要ありません。

英語をはじめた理由
ここでは私の立場から外国語を学ぶ意義や楽しさ、今回は話を英語にしぼって話をしてみようと思います。
前もってお伝えしますと、私は語学そのものにあまり興味がないのです。だから、これまで気合いを入れて勉強したことがありません。そんな私が英語を勉強しようとか書いているわけですから、人生がどう転じるかわかりません。
私が英語を始めた理由は、日本の鍼灸を海外の人にも受けてほしいからです。単純なことなんです。海外の人と交流を持ちたいとか、友達をつくりたいとか、そういう理由ではないのです。
私がやっている鍼灸を、日本人以外の人に届けたいという気持ちだけです。誤解される前に書きますと、活動拠点を海外に移す予定はありません。日本を拠点にして海外展開をしようと思っています。
「円安だからでしょ?」
と思われると思いますが、確かにこの円安は気分的に追い風です。
英語ができないので失敗
10年前の2014年のことです。
群馬で鍼灸院を経営しながら品川に鍼灸院を新設しました。品川を選んだのは、新幹線が止まる駅であることと羽田空港に近いという理由でした。
その時点で来日する外国人を意識して、ウェブサイトや問診票などを英語で用意していたのですが、英語で施術できるスタッフがいなかったので、軌道に乗りませんでした。
代表である私が英語の見本を示していませんし、努力の方向性がつくれませんでした。
外国語が得意なスタッフが集まる
時は経ち、すっかりスタッフは入れ替わりました。気がつけば、外国語が得意なスタッフに囲まれている状況です。
現在、うちのチームに鍼灸師が8名所属していますが、海外で働いた経験がある者が3名もいます。私がスペインで講師をしたことも含めたら半数の4名が海外で仕事しています。この他、大学で外国語を専攻していたスタッフも入りました。これだけのメンバーが集まることが偶然であるはずがありません。
このブログでも、何度も「日本の鍼灸を海外に」と叫んできましたし、スペインでの活動も報告していましたので、海外に興味がある人を呼び寄せてしまったのだと思います。一人ひとりに聞いたら「そうじゃない」と返ってくるかもしれませんが、都合よく解釈しておくというのも戦略です。
条件がそろっても、私が英語を勉強していなければ火がつきません。私が英語力でトップを突っ走る必要はありませんが「この人、本気なんだ」と思ってもらないと始まりません。
3割えいご
品川の鍼灸院(カポス)の患者さんの3割を外国人にするという具体的な目標を作ってシェアしています。もし、4割、5割と増えていくようでしたら、分離させることも視野に入れています。
鍼灸院の中で英語が飛び交っていれば、海外で働きたいと考えている鍼灸師が、経験を積む場所になりますし、海外から戻ってきた鍼灸師が英語力を活かせる場所になります。
そんな近い未来を思い描きながら、英語対応の準備を進めています。
こんな私の英語の面倒を見てくださっているのが、今年鍼灸師になったばかりの宮口一誠先生です。宮口先生と出会ったのは昨年の4月。ちょうど一年前です。海外に関心を持つ鍼灸師が集まる会で出会って、私が勝手に惚れ込んだわけです。
出会った当時は鍼灸師を目指す学生でしたが、すでにアメリカでトレーナーとして8年間働いていた経験があり、そのときの試行錯誤を活かしたカリキュラムで、セラピストたちに英語を教えています。
4ヶ月間の個人レッスン
今年1月から始めた個人レッスンは終盤に差し掛かっています。4ヶ月間ですからできることは限られています。短い期間で実用的な英語が身につくように、現場でよく使ういい回しを集中的に練習しています。
外国人に道を聞かれても困りますが、外国人に理学検査はできるのです。
このレッスンを通じて、英語がしゃべれるようになったかと言えばノーですが、英語の引き出しが増えたことは間違いありません。咄嗟に英語が出てくるくらいになれたらよいのですが、最初からそこに行くのは難しいので経験を積み重ねながらだんだんと。
英語で情報発信
私も、そろそろ英語圏の患者さんを積極的に受け持っていこうと思っています。ただ、来ていただかないと始まらないので、この1ヶ月で鍼灸院のウェブサイトの英語版を整備しました。英語表記をネイティブにチェックしてもらったりと基本的なところを修正。
「acupuncture tokyo」で検索しても、見つからない位置にあるので、もう少し頑張っていかないといけません。日本の鍼灸の魅力が海外にしっかり伝わったら「鍼灸院めぐり」なんてツアーが生まれるかもしれません。

< KAPOS Acupuncture in Tokyo >
超初級編の勉強会
今度、私の英語の先生である宮口一誠先生と、鍼灸師のための英語レッスンを品川で開催することになりました。私は教えるレベルではないので、運営をしながら参加者の方々と一緒に練習します。
「私の英語のレベルで行ってもいいのかなぁ」
と思われるかもしれませんが心配ありません。開催するのは超初級編です。中学英語の基本をおさらいしながら、やっていこうという方に向いています。
最初は下手で当たり前。私もまだ下手の領域です。
ちょっとでも気になる方はぜひご参加ください。海外事情の情報交換の場になると思います。私も運営する側として参加して一緒に練習します。宮口先生の個人レッスンに興味がある方も人柄を確認しにきてください。あと、私の鍼灸院で英語を使って働いてみたいと思っている方の参加もお待ちしています。
日時:6月23日(日)11:00~17:30
会場:東京/品川
対象:鍼灸師(学生も可)
定員:18名
料金:33,000円(税込)
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