対人関係を克服するには

■鍼灸師は人と接するプロ

鍼灸師という職業は、人と接するのが仕事です。

人を避けていては成り立ちません。むしろ、どれだけ積極的に関われるかが勝負です。

そうは言っても鍼灸師とて普通の人です。好きな相手もいれば嫌いな相手もいます。会いたいと思う人もいれば、会いたくない人もいます。嫌な人と接してしまった時、ただ逃げていては仕事が成り立ちません、かと言って、嫌だと思う人のことを我慢しつづけても、よい仕事はできない気がします。

鍼灸師として、誰かにネガティブな感情をもってしまった時に、どう立ち回るべきか、どう振る舞うべきか、を「人と接するプロ」であるという自覚を背負って、自分の中にあるものを書いてみようと思います。特に、ここ数年はチームリーダーとしての役割も大きくなってきているので、対人関係の話には敏感になってきています。

シマウマとリス

もともと、私は人付き合いが上手な方ではありません。10代の頃から特定の友達と遊ぶだけで誰とでも仲良くなれるタイプではありませんでした。グループに所属することを避け、一人で過ごすことが多かったように思います。そんな私が鍼灸師をやっているのですから不思議です。

人付き合いの難しさを克服したわけではありません。(自分を含めて)人とは何かを考え続け、自分を表現してきただけです。突然、何かが変わったと思いません。変化は少しずつでした。その変化を10年で区切って整理してみます。

■20代の頃

20代は私にとって特別な時期となりました。「鍼灸」に人生をかけて打ち込む切符を手にしたからです(鍼灸学校に入っただけですが)。生活や思考が「鍼灸をやっていくためには…」と現実と自分を照らし合わせるようになっていきました。誰と一緒にいた方がよいのか、誰と交流をもつべきなのか、そういうふう考えるようになっていきました。

最初は、鍼灸が上手な人や名人ばかりに関心を抱いていました。しかし、開業準備をするようになって変わっていきました。鍼灸院を一つやるだけでも、いろいろな専門家の協力を得なければなりません。建築、デザイン、印刷、会計・・・と。

26歳で独立した私は、試行錯誤したまま30代に突入していきました。

■30代の頃

開業した鍼灸師は嫌でも経営者です。実際、20代の私は鍼灸をするために仕方なく開業したので経営は面倒な仕事でした。「鍼灸だけやりたい!」と勤務しながら鍼灸をしている鍼灸師を羨ましく思っていました。

経営の面白さを感じ始めたのは30代になってからです。転機は「自分で何とかしよう」から「自分で何とかするのはやめよう」と考え方が変わったことです。「自分でやればお金はかからない」という考えから「専門に集中し、専門外の仕事はお金を使って頼もう」という考え方に移っていきました。「何をしないか」を決めたのです。

こう考えられるようになったのは「自分にしかできなこと」が見つかったからです。この分野では先を行くと決めたことがあります。

チーム(組織)の必要性を強く感じたのもこの頃です。一人では出来なくてもチームなら出来ることがたくさんあると分かり、チーム作りを開始しました。

■40代になった今

突入したばかりで、まだ何も言えません。本格的にチームで成果を上げていくのはこれからです。必要とされる存在から必要とされない存在、つまり、居なくても大丈夫な存在を目指します。自分と家族のために使える時間も少しずつ増やしていきたいと思っています。

■誰と縁を持つか

開業して13年が経ちましたので、これまでの間に縁が切れた業者さんもあれば、関係がずっと続いている業者さんもいます。恥ずかしながらトラブルに発展したことも何度かあります。私に落ち度があったものもありますし、縁を切るのが遅かったために傷が深くなってしまったものもあります。実は、ここに書けないような失敗はいくつもしています。

困った時の救いの手

人との関係には注意をしなければなりませんが、警戒ばかりしていては、人生も仕事もつまらないものになってしまいそうです。人と接するプロとして、どのようにすべきか自分の考えをまとめてみることにしました。

次回のテーマは「苦手な人とどう付き合えばよいのか」です。(1)患者さん、(2)社員 (3)セミナー受講者 (4)業者さんに分けて整理します。

つづき…「もしも苦手な人がやってきたら

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