鍼灸院経営のゴールはどこにある?

鍼灸院経営のゴールはどこにある?

目標は何店舗?

鍼灸院を開業する鍼灸師は、そのゴールをどこに置いているのだろうか。なぜ、こんなことを書くのかと言うと、「クリ助さんの目標ってなんですか?」と聞かれることもあるからです。

11年前、品川に2院目の鍼灸院(カポス)を開業したとき「目標は何店舗ですか?」と何度も聞かれました。それからずっと群馬と品川の2院のままなので、満足していると思われているのか、私の器を見透かされているのかわかりませんが、最近では聞いてくれる人がいません。

ゴール設定をするとき、規模がわかりやすいのかなぁと思います。私個人の話をする前に周りの話をすると、規模拡大に関心が強い鍼灸師と、関心がない鍼灸師がいます。経営する側になると経営者として見られてしまうのですが、まずは鍼灸師という枠の中で考えてみたいと思います。

鍼灸師は免許でしかありませんから、所有する一人ひとりに生き方があります。医療を目指す人も、慰安を目指す人も、研究をしたい人も、教育をしたい人も、ビジネスとして割り切っている人も、趣味でやっている人も。

こういう話は、どうしても自分の立場から発するしかありませんので、私自身のことを語ろうと思います。クリ助はそんなふうに考えているのかぁ、とエンタメ感覚で読んでください。

夢とか野心とか

私が独立を決意したのは20代の半ば。鍼灸師になってからそれほど年数が経っていません。独立志向が強かったわけではないのです。独立したのは鍼灸をする環境をつくるためでした。もし、鍼灸ができる勤務先と出会っていれば、この頃に独立することはなかったでしょう。

将来の夢とか野心とか、そういうのではないのです。鍼灸しか頭にない青年が、鍼灸をしたいがために独立開業。鍼灸の免許を取ったのに鍼灸施術をできる職場がないという現実とただ向き合っていただけです。だから、年商〇〇億円とか、全国に◯◯院を展開なんていう、そういう話は眩しく感じます。鍼灸がしたい。それだけ。

貧乏してでも鍼灸

職場なんて選ばなければいくらでもある、と思うかもしれません。20年以上も前なので今とは事情がだいぶ違っています。鍼灸施術ができる就職先はほぼなく、あっても丁稚奉公のような弟子入り制度がたまにあるくらいで、それを就職と言ったら親を泣かせてしまいます。

行き場がないので、遠くを見つめてゴニョゴニョしていると、「マッサージやればいいのに」と頼んでもいないのにアドバイスをしてくれます。

現実はその通りで、マッサージの仕事はすぐに見つかります。ただし、免許もなく数日間の研修を受けただけの人と同じ立場です。専門学校を出た意味は…その前は大学も出ているし…とすべてが無駄になるように感じました。プライドの問題とか、そういうのではないのです。

傍から見れば、鍼灸もマッサージも同じです。免許が必要なのかも一般の人はわからないわけです。ただ、私には絶対に譲れないラインが鍼灸だったのです。贅沢なことは言いません。貧乏であっても鍼灸ができるなら、それでよかったのです。他に何もいりません。

鍼灸を職業にする、これが当初に描いていたゴールです。それってただのスタート、と思われるでしょうが、大真面目なゴールでした。私にとっては憧れの職業だったのです。当時の学校の入学倍率は10倍でしたしね。

がんばる方がラク

あれこれあって、今では鍼灸院を2つ経営するようになりました。セミナーも事業化しています。スタッフにも恵まれています。ゴールを通過した私は次のどこかに向かわなければなりません。私の中に二人の「わたし」がいます。食べて行けて満足しているわたし、もう一人は「こんなんで満足ってバカじゃね?」というわたしです。

この先でほしいものはなにか。正直にいえば、それを探しながら歩んでいるような感じです。家族を犠牲にして…とか、そういうテンションでは考えられない歳にもなりました。夜は寝なければ命がもちません。大げさではなくて。

睡眠時間を削ってブログを書いていた頃が懐かしいです。こんなジジ臭い言い回しをするつもりはないのですが、これも現実。がんばることよりも、がんばらないことが重要な年齢になってきました。

若い人には想像できないでしょう。がんばれないことが一番つらいのです。がんばる方が簡単です。本当ですよ。数を打って当たりを待てばよいのですから。

しごと趣味化計画

改めて自分自身を整理してみれば、鍼灸を仕事にしているのは鍼灸で財産を築きたいのではなく、他の職業に就いてしまったら鍼灸ができないからです。極論をいえば、鍼灸ができるなら仕事でなくてもかまわないのです。ただ、矛盾するようですが、仕事としてやってきたから、責任感や使命感を持ち続けて来られたのも事実です。仕事だからこそ到達できた完成度なんだと思います。

仕事と趣味の違い、それは誰が評価するかです。趣味であれば他人の評価は必要ありません。自己評価からの自己満足を回転させておけば成り立ちます。仕事はそうはいきません。評価は相手がするものだからです。

でも、思考が一周すると「相手の評価がすべて」というのは、寂しい気がするのです。自分が一番よいと思うことがもっとも評価される。自分が描く理想がお金になる。そんな状況に憧れがあるのです。

経営者であるくせに、◯年後に年商◯億みたいな目標はありません。売上はスタッフの収入に直結するのでスルーしてはいけない課題です。仕事ですから。

経営は仕事として相手の評価を一番に考え、鍼灸施術では自己評価も重視していきたいと考えています。経済的な基盤をきっちり整えた上で理想を追求するという意味です。スタッフの給与も上げたいですしね。

後継者のこと

私に後継者はいません。鍼灸院を誰かに託そう、セミナー業を誰かに託そう、と思っていません。一代で終わることになってもかまいません。むしろ後継者のことを考えるのはストレスです。継ぎたい人がいたら譲ります。

残したいものはあります。私が創案した整動鍼と、その整動鍼の臨床記録です。すでにセミナーで全国に鍼灸師に学んでいただいていますし、理論と実技はテキストと映像で記録され、臨床記録はツボネットに集めています。

年齢的に今がピークだと思われているかもしれませんが、自分では思っていません。ここ大事なところです。まだまだやれそうだという勘違いこそが原動力なのです。なので、もう少し盛り上げていこうと思っています。嬉しいことに、若い人たちと仕事をする機会が増えてきたので、エネルギーを吸い取るチャンスです。へっへっへ。

施設を大きくする計画

土地を買い足して鍼灸院の拡張計画が動き始めました。これは群馬の鍼灸院(養気院)の話です。現在はベッド4床ですが、2床を加えて6床にすることを考えてます。その一つは大きめの部屋にしようと思っています。それは、飛んだり跳ねたり、ラケットを振ったりと、その場で動いて変化を確かめられる空間です。プロを含むスポーツの愛好家に好まれるような鍼灸を提供したいのです。

鍼灸師になっていなかったら建築家になっていた、と思い込んでいるので気合いが入っています。楽しみすぎます。ブログをせっかく再開したので進捗状況をレポートします。ちなみに、土地はまだ手に入れていません。土地はまだない。

ウェブサイトを新しく

これも群馬の鍼灸院のことなのですが、ウェブサイトが古すぎて加齢臭がきつくなってきているので刷新します。未だにスマホ対応していないのですから伸びしろありすぎです。早く東京に追いつきます。力を抜いて楽しんでやろうと思います。

こちらもよろしくお願いします。
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はりきゅう養気院(群馬県/伊勢崎市)
はりきゅうルーム カポス(東京/品川)
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