鍼灸師とお産(番外編)

<このシリーズでは、鍼灸師であるクリ助が妊産婦さんに何ができるかを考えていきます。お産の現場をできるだけリアルに伝えますので、よいお産について一緒に考えてください。>

このシリーズを書き始めた頃から、確実に周囲に変化が起こっています。

クリ太が産まれたばかりの頃は、こんな風に言われることが多かったです。

「奥さんを助けてあげてね。」

「子育てに協力してあげてね。」

「家事、手伝ってあげてね。」

どれも、クリ子をサポートしてあげて、というアドバイスばかりですよね。

それが、このシリーズを書き始めてから、言われることが180度変わりました。
 
「無理しないでください。」

「お体を大切にしてください。」

「夜はちゃんと眠れていますか?」

どれも、私を気遣うものばかりです。

実はですね、ここだけの話があるんです。

もともと、私の鍼灸院はクリ子と二人で運営していました。ですから、急にクリ子が職場からいなくなり、私の仕事量がドーンと増えたのです。仕事が終わるのは毎日深夜。子育てに参加するのはそのあとなので、睡眠時間は半分程度となりました。

覚悟はしていたものの…体力ぎりぎりの状態

ちょうどそんな時に、会う人会う人から、クリ子をサポートするようにアドバイスをいただくわけです。本音をいうと、その言葉がちょっと辛かったです。

もうこれ以上、無理だよ~!

と私の疲れた心は悲鳴をあげていました。

ブログが更新されていなかったのもこの時期です。患者さんのために体力と気力を確保するのに必死でした。更新できるようになったのはクリ子が退院して1週間くらい経ってからです。この体験は絶対に記録に残そう、そう強く決心してシリーズの連載を始めました。

ふと気が付くと、周囲のアドバイスが一変したのです。私に対する励ましの言葉が多くなり、かえって恐縮してしまうほどです。

この変化って何だろう…。

その奥にあるものを考えました。そして、あることに気が付きました。

 男親は子育てに参加しない
 女親は育児ノイローゼになりやすい

という前提がどこかにあったからなのでしょう。
こういうのを社会通念と言うのでしょうか。
それに気が付き、なおさらこのシリーズを書く意欲が増しました。

男性が新生児の世話に参加しない傾向は確かにあるかもしれません。でも、それは男性の責任ばかりではないと思ったのです。仕事では「子育てをしているから…」という言い訳は通用しません(ここは男性を擁護する発言になります)。

男性が新生児の世話に参加するためには、仕事と両立するという課題を抱えていることを理解されることが必要です。一番理解してほしい人は自分の妻だと思うのです。少なくとも私はそうでした。世話をちょっと手伝っただけでも「大変なのにありがとう」と言われると、もっと手伝いたくなるものです。もし、「休んでないで、もっと手伝ってよ!!」って言われたら、「仕事で疲れているだから仕方ないだろう!」と言い返したくなってしまったでしょう。

のろけ話ではありませんよ( ボソッ)

私はとても運がよかったのだと思います。なぜかと言いますと、

 出産に立ち会えた
 鍼灸師であった
 妻と職場が同じだった
 
からです。
そのおかげでたくさんの“気づき”がありました。それをこのブログで伝えようと思っています。そして、女性の視点、男性の視点を交えて「よいお産」について考える機会になったら嬉しいです。

以上、番外編でした。

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コメント

  1. Chab より:

    私は、夫を責め続けたクチです。^_^;
    私もクリ助さんへのコメントに、
    知らず知らずのうちにプレッシャーをかけていたかもしれません。
    ごめんなさい。
    自営業の方は、毎日がプレッシャーの連続ですよね。
    その方が居なければ仕事は始まらない毎日ですもん。
    お客様は待ってはくれない。
    それが辛いところです(と思いますが、どうでしょう?)
    そこに、最大の相方である奥様が職場に不在となれば、確かに大騒動(?)ですよね。
    つい女性としての立場から、強くモノを言ってしまったかも・・・。反省です。m(__)m

  2. クリ助 より:

    >Chabさん
    今回の記事は女性にはキツイ内容だったかもしれませんね。でも、女性には女性の立場がありますので、それを否定してるわけではないので、気楽に読んでくださいね。
    どの仕事でも同じですが、仕事でミスをするわけにはいきません。失敗しなくても、疲労困憊の鍼灸師の施術は誰も受けたくないですよね。
    ですから、夜はしっかり寝て疲れを残さないように心がけました。それでも、やはりギリギリでしたが…。
    私が用意したのは耳栓です。今から寝るぞ!って時に耳栓を使って深い睡眠に入っていました。「大変な時は起こしていいよ!」と一言かけてから耳栓をつけるのがコツでした。突然耳栓をしたら印象悪いですから。
    せっかくなんで、男性側の声も積極的に書いていこうと思います。女性陣の参考になれば嬉しいですね。

  3. なちゅら より:

    ↑男性側の声、是非ぜひ書いて下さい!きっと女性陣は聞きたいと思います。
    私の産後は(育児がなかったのもありますが)両親に頼らず夫婦だけで過ごしました。
    夫は私に”寝てなさい!”の一点張りで産後の1ヶ月間家事の全てをしてくれました。
    (ちなみに私の夫も自営業(飲食店)です。)
    クリ助さんの様子を聞いて自分の夫にもあらためて感謝しなきゃと思いましたよ。
    クリ助さんの男性側の意見を聞かせてくださって、なんだか嬉しかったです。
    私も1年前まで1人で治療院の仕事全てを行い、家事全般をしていたので(その辺りの程度は甘いけど)、
    “えらいこっちゃ”だったのを思い出します。
    深夜2~3時の就寝までタイムスケジュールびっちり・・・みたいな(笑)
    同業の女性の方々とお話していても、これで育児が入ったらどうなるんだろう・・・とよく話題にあがっていました。
    その場になれば、なるようになってしまうんでしょうけどね・・・

  4. サト より:

    1人目のお産は、何もかもが初めてで、不安だらけ。私は、そのとき、ダイが闘病真っ最中で、長期入院中だったので、逆にホントにうらやましいです。奥様は幸せだと思います。手伝うことができなくても、ちょっとした言葉の掛け合いで心は和みますよね。お2人でそれができている理想的な夫婦ですね。素敵です(*^_^*)ポチ

  5. かもめ より:

    そうですか、大変でしたね~。
    ひょっとして、寝不足状態じゃないかなと思ってました。
    だって、コメント頂いた時間がAM2:20とかなってましたから…。^^)
    体、気をつけてくださいね。
    我が家の場合、二人目(娘)の出産の時は私と息子(当時8歳)しかいなかったので、毎日大忙しでした。
    料理に、洗濯に、etc。
    家事というのはつくづく大変なんだなぁ、と実感させられましたね。(息子のときは妻の実家が近くだったので、苦労なしでした。)
    でも、息子ががんばっていろいろ手伝ってくれた思い出があります。
    年の離れた妹がよほど可愛かったのか、だっこしたり、おむつがえをしたりの写真が残っています。
    くり助さんの記事を読みながら13年前を思い出しているかもめでした。^^)

  6. クリ助 より:

    >なちゅらさん
    やさしい旦那様ですね。
    自営業をやりながら家事をこなすことって大変ですよね。
    家事をすべてされた旦那様、尊敬します。私は、疲れた時は休んでいましたらから。
    一人で治療院をされていたなちゅらさんは、それだけで尊敬の対象です。寝るのが2~3時になる理由、とてもわかります。今の私が“えらいこっちゃ”です(笑)
    どんどん男性側の声、書いていきますね。
    次に何が起こるか…楽しみにしていてください。

  7. クリ助 より:

    >サトさん
    立ち合いを拒否する産婦さんのお話も聞きますが、夫の言葉で安心する産婦さんが大半なのでしょうか、やはり。何もできないから、できるのは声かけと手を握るくらいでした。それで安心してもらえるなら、男性陣は積極的に付き添った方がよさそうですね。
    いつも応援クリックありがとうございます♪
    私もサトさんのブログの応援クリックしますよ。

  8. クリ助 より:

    >かもめさん
    妻がいなくなって、家事の大変さがよくわかりました。出産を迎える直前まで、仕事に集中させてもらったのは本当にありがたいことでした。
    出産は夫婦の絆が深くする絶好のチャンスかもしれませんね。でも、お互いに大変な時期ですから、一歩間違えれば行き違いもありそうなので密なコミュニケーションが大切だと強く思うようになりました。
    13年後の私は何を思っているのでしょう…

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