今日は、営業終了後、考えてこんでしまいました。
考え方の違う二人の妊婦さんと話したからです。
一人目はAさん。
逆子の治療で来院されました。
お灸をしているとき、その妊婦さんが言いました。
「もし治らなかったとしても、後悔はしないと思います。」
私には嬉しい言葉です。
「治らなかったとき…」
考えたくないですが、医療に100%はありません。
不本意な結果でも、受け入れなければならない時があります。
「後悔はしない」という言葉の奥には、「鍼灸を受け最善を尽くしているから」という意味が込められていました。私の施術で治らないなら仕方ないという覚悟をもって受けているのです。
私の中で3種類の嬉しさがコレボレーションしています♪
一つ目は、責任を持ってお産に臨む妊婦さんの姿に対するもの
二つ目は、愛されている赤ちゃんに対するもの
三つ目は、私の技術が信頼されていることに対するもの
—
二人目はBさん。
Bさんも逆子の治療で来院されました。
仕事が忙しいからと1週間ぶりに来院されました。
その間、超音波(エコー)で赤ちゃんの姿は見ていませんが、妊婦さんの言葉から判断すると、途中頭の向きを何度か変えている様子です(治りそうで治らない)。残念ながら本日は「治っていないかな…」という状況でした。舌診(舌を診て体調を診察すること)をすると、体調が優れないサインが表れています。もし、逆子が治ったとしても、お産が心配になる例です。
逆子は偶然なるわけではありません。
逆子は赤ちゃんの育っている環境に原因があります。赤ちゃんにとって一番身近な環境がお母さんの体。鍼灸はそのお母さんのコンディションを整えて逆子を治します。
逆子であることが悪いのではなく、逆子になってしまう環境に原因があります。
(中にはどうしても避けられない事情がある場合もあります)
私がこんな説明をした後、Bさんは言いました。
「逆子が治っても、(難産で)帝王切開になったら逆子を治す意味はないと思います。」
私はよいお産をしてほしいから逆子の治療に力を入れています。でも、こんなことを言われると考えてしまいます。Bさんは何を求めているのだろうと。
逆子を治すのは、難産にならないため、難産を避けて帝王切開にならないためです。でも、これはお産の瞬間にしかスポットを当てていない考え方です。
赤ちゃんの人生はお腹の中で始まっています。子宮の中で快適に過ごせるように、そして人生で一度しかチャンスがない産道を通る経験ができるようにサポートしたくて鍼やお灸をしています。
Bさんの赤ちゃんはまだ言葉を理解できないけれど、もし大きくなって「治す意味がない」と言われたことを知ったらどう思うだろう…。そう思うと、考え込んでしまいます。
自分の舌を鏡で見て体調が優れないことを自覚しているBさん。
それでも「来週は仕事が忙しい」と予約をとらなかったBさん。
Bさんに何ができるのだろう…
何もできないかもしれない…
AさんとBさんの違い、なんでだろうと考え込んでしまいました。
関連≫逆子(骨盤位)と鍼灸


コメント
クリ助さん、お久しぶりです。
今回のお話で2番目の妊婦さんにお話したいこと。
「安産にむけての治療や養生の中に、逆子治療があるんですよ。」
逆子治療にいらした方には、はじめにそう妊婦さんにお話しています。
私の師匠の受け売りですがね・・・。
お腹の赤ちゃんにとっての環境はお母さんの子宮の中。
それを大きくひっくるめてお母さんの環境が整うといいですね。
そう気付いてくれると、2番目の逆子さんも治る気がします。
お久しぶりです!!
「お腹の赤ちゃんにとっての環境はお母さんの子宮の中」
本当にそうですね。
この言葉の真意を伝えられるように努力していきたいと思います。
いつも興味深く拝見させて貰っています。
私も今年新米鍼灸師となりました。
去年嫁が逆子と診断された際に、必死で
お灸をしたのを思い出します。
私の場合は何とか治りましたが、嫁は毎日
お灸をしてくれた行為を非常に喜んでくれました。
術者の気持ちが伝わらないと、治療はなかなか
難しいものがありますね。
>ひ~ろさん
はじめまして!
国家試験合格おめでとうございます。
ひ~ろさんのお子さんも昨年誕生されたんですね。我が息子と同学年でしょうか。
よい治療って患者さんの気持ちと術者の気持ちが一致した時に生まれるのかもしれませんね。
—
開業を考えていらっしゃるのですね。ひ~ろさんのブログにオジャマしてきました。ちょっとだけ先に開業している私。まだまだ成熟していませんが、このブログがご参考になれば幸いです。
ブログを楽しく拝見させていただいてます。
実は、私の彼も鍼灸師で、3年ほど前に独立しました。
今は出張をメインに開業しているのですが、
鍼灸師の仕事をイマイチ理解していない私には、不安なことだらけです。
たとえば、会社員みたいに毎月決まった収入があるわけではないこと、
毎日患者(お客様)がいるわけではないので、暇な時があること・・・など。
将来、結婚したいと思っている私が、鍼灸師の仕事をしりたい!と思いたどり着いたのがこのブログでした。
現実問題、収入のことは仕方ありません。
ただ、彼自身も一生懸命施術していますし、鍼灸のよさをわかってもらいたいと頑張っています。
すこしずつですが、利用者も増えているようなので、
彼を温かく見守っていきたいと思っています。
また、おもしろくて参考になる話をお願いします。
楽しみにしています。
>なつみかんさん
鍼灸師の男性とお付き合いされているんですね(*^o^*)なつみかんさんのお話を読んで、妻と重ね合わせてしまいました。
妻と出会ったのは鍼灸学生の頃です。妻は鍼灸師ではありません。私が学校を卒業し、開業するときもそばにいてくれました。私が暇な時代もよ~く知っています。
でも、毎月決まった収入がないことを知りつつも結婚してくれました。ま~、それだけでありがたいことです(笑)
きっと、彼もなつみかんさんが応援してくれていることに感謝しているはずです。心の支えになっているはずですよ。
つづき
なつみかんさんの彼も私も気が付いているように、鍼灸師という仕事の魅力は収入以外のところにあると思います。
でも、収入のことはあきらめなくてもよいと思います。まだ3年目ですよね。着実に信用を重ねているご様子ですし、支える人がいれば彼はステップアップするはずです。
わかったようなことを言ってしまえるのは、私が妻に助けられて成長できたからです。
なんとなく気持ちが落ち着きました。
常に気にしているわけではないのですが、やっぱり彼の仕事のことは気になっていました。
彼は仕事(鍼灸)が本当に好きなんです。
いろいろな人と接する仕事なので、精神的にも肉体的にも疲れると思います。
でも、それがまた楽しいようです。
患者さんのことになると一生懸命で、中途半端な施術はしたくないと開業を決心したと話してました。
本当に頑固で、正直、もう少しまわりの意見も聞けばいいのに・・・って思うことがあります。
でも、彼自身も今、いろいろ考え、悩んでいるのがわかるので、あまり言わないほうがいいかな。
これからもクリ助さんの奥様のように、支えになっていけたらいいなあと思っています。