
■クリ助にも野心!?
そういえば1年前、このブログで経営論を書きました。
「ライバルを敵と思うな、チームメイトだと思え」念じて書き終えました。この言葉は自分自身にも言い聞かせてきました。その効果があったのか、この1年でも、チームメンバーを思える仲間がたくさんできました。おかげさまで経営も安定しています。
安定といっても、分院(店舗)をたくさん出すような身分ではありませんから、「田舎の小さな鍼灸院というレベルにおいて」と解釈してください。これからも「小さなこだわり鍼灸院」を貫いていこうと思っています。スタッフが加入しても、2~3名の規模に留める予定です。
もっと欲を出した方がよいのかもしれませんが、野心はちゃんとあります。
「鍼灸師ってよい仕事ですね。」
と多くの人から言われるようにしたいです。
「鍼灸師では食べて行けない」なんて寂しいことを言う人もいますが、そんなことはありません。私の周りには、ゆとりのある生活をしている鍼灸師がたくさんいます。私の場合、しばらくはがむしゃらに走る必要がありそうです(笑)
■プライスレスな仕事
国家免許でありつつ、(民間資格と混ざっても)特別扱いされる機会が滅多にない鍼灸師。医療制度の改正を望みたくなりますが、冷遇を承知で鍼灸師を選んだのですから言い訳は許されません。自分たちで、ポジションを上げていくしかありません。
意地や反骨精神で鍼灸師を続けているわけではありません。楽しいから続けているだけです。冷遇であることを差し引いても、持てあますほどの充実感の残ります!
まさにプライスレス。
この感動はお金を積んでも味わえません。想像してみて下さい。鍼一本で患者さんの症状が和らいだり消えたりすることを。患者さんが楽になったと感じている裏側で、清々しい気分を味わえるのです。
だから、やめられるわけがありません。
この気分を未来の鍼灸師に伝えることが、私が最初にできる後進教育です。プライスレスを手に入れるためには、鍼灸ができる環境を手に入れることが必要です。就職したり、独立開業したりすることです。
ただ、就職にしても独立開業にしても現実は厳しいです。行き場がなくなり去ってゆく鍼灸師が後を絶ちません。
「鍼灸師の未来を明るくする」
ことが私の野望です。
「鍼灸師ってよい仕事ですね。」
と言われるために、鍼灸師自身に希望が必要です。
■裸のサービスは売れない
患者さんが意識しているかどうか別として、患者さんは、パッケージングされていなければお金を支払ってくれません。
極端かもしれませんが、お酒の席で酔っぱいにされた鍼にお金を払う人はいないでしょう。仮にその鍼で症状が劇的に改善したとしても。金銭に換算できないのは、鍼灸がパッケージングされずに、裸だからです。
裸のおまんじゅうを「どうぞ食べてね」と手渡しされるようなイメージ。そのおまんじゅうに金銭的価値をつけるには、包装して値札を付ける必要があります。おいしそうに包まなければ興味を持たれませんし、高すぎたら買う人いません。美味しくなかったら二度と買ってくれません。
鍼灸院に就職するというのは、裸のまんじゅうを持ち込んで、就職先の鍼灸院でパッケージングしてもらうことです。
パッケージの力を思い知らされた出来事がありました。もう10年以上前のことです。
私は、免許を取ってから間もなく鍼灸整骨院に勤務(パート)しました。鍼灸部門を一人で担当し、最終的には1日15人平均まで患者さんが増えました。私がその職場をやめることになったとき、多くの患者さんが私の施術を希望すると思っていたら、誰一人として希望しなかったのです。
パッケージをはがされた私は、裸のおまんじゅうだったのです。
昨日まで人気商品だったおまんじゅう。
今日になったら、もう誰も買わない、買おうとはしない、おまんじゅう。
その当時を振り返ると、私を必要とする人が一瞬にして目の前から消えた理由が正しく理解できていませんでした。今なら必要とされなかった理由がハッキリとわかります。
■鍼灸師だけの聖域
一般的には、「技術だけではダメ。マーケティングが大事。」と言われます。ただし、市場の動向を考える前に、技術に服を着せる必要があります。下着程度で街に飛び出たら逮捕されます。信頼を得るどころではありません。リアルに「あやしい鍼灸師」と言われる様子が想像できます(笑)
パッケージングする力。
独立するなら、鍼灸技術と一緒に磨く必要があります。技術が何より大事ではあることは間違いありませんが、その技術を包んで送り出す力がなければ売れません。就職先の乏しい(独立開業で道を開く)鍼灸師にとって、目をそらすことができません。
「鍼灸は医療なのだから、商売人のようなことはすべきではない」と言う人もいるでしょう。現実を見てください。
医療システムに迎え入れてもらうのを待ってるうちに、向こう岸では、一般施療業者(無免許施術者)が、患者さんが喜ぶパッケージが増やしているのです。
その姿が患者さんから見て「経営努力=患者さんのための工夫」として映るのならば、我々鍼灸師は、ただ経営努力を怠っているだけになります。
医療者としてのプライドから、一般施療業者に対して思うところもあります。と同時に、彼らのスキルには圧倒されます。技術にしても経営力にしても、私たち鍼灸師が見習わなければならないところが多いと感じます。彼らから学ぶことを躊躇する理由は見当たりません。
彼らから学べば学ぶほど見えてきた、鍼灸師の価値。
「鍼と灸が使える」というアドバンテージ。法律が味方になるのですから、完璧な参入障壁です。鍼灸師にしかできないことを追究するだけです。鍼灸が使えるからこそ、「鍼灸にこだわらない」柔軟で幅広い施術が可能になります。
つづく…「開業鍼灸師の生きる術」



コメント