鍼灸師と占い師

占いで決める

朝のテレビで、スピリチュアルをテーマに悪徳商法への注意や占いにのめり込んでしまう人を検証していました。

解説者の一人が占いについてこんな発言をしていました(記憶によると)。

本来、占いは自立を促すものであって、自分のところにいれば大丈夫だと、自分のところに抱え込むのは、何か悪しきものがあると考えた方がよい

医療も「自立を支援する」ものです。患者さんを医療に依存させることが目的ではなく、医療を必要としない状態に導くべきであると思います。鍼灸院も同じで、必要なくなったら通うところではありません。

とはいえ、割り切れない部分もあります。

私の鍼灸院には「通っていた方が安心」という理由で、体調管理の一環として利用されている方が一定の割合でいらっしゃいます。

一度、ツライ症状に悩まされた経験があると、「二度とあんな状態には戻りたくない」という気持ちになります。「またなったらどうしよう…」という不安も同居してしまいます。そんな不安を消すお手伝いも大事な仕事だと思っています。

■リピート率で計れないもの

初診を終え、再びやってくる患者さんのことを、私たち鍼灸師は「リピーター」と呼ぶことがあります。その比率をリピート率と表現したりします。

このリピート率は、人気のバロメーターになることがあります。「二度と行きたくない」と思われるより、「また利用したい」と思っていただける方がよいです。ですが、私たち鍼灸師は、リピートの本質を考えないと、とんでもない過ちを犯してしまいます。

患者さんがリピートする理由は、
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 1.治るために2回以上の施術が必要だから
 2.現状維持のため
 3.もっとよい状態になるため

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それぞれ、体調レベルで言いますと、
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 1.マイナス → ゼロ
 2.ゼロ → ゼロ
 3.ゼロ → プラス

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です。

それぞれ、こう呼んでもよいと思います。
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 1.治療
 2.ケア(メンテナンス)
 3.コンディションアップ

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症状が落ち着いても、不安が残っている患者さんは1の延長だと考えています。心が安定して治療が完了になると思うからです。1の延長から目的が2に移行することがあります。その違いは明確に意識しています。「行かないと不安」と「行くと安心」の違いです。

このように、リピートの目的はさまざまです。ですから、単純に「リピート率を上げる」と考えるのは危険です。私たちは、患者さんに適切な対応ができるかどうかを試され、その結果としてそういう数字がついてくるだけです。

■悪徳占い師の手口

専門家によると、悪徳占い師は、相談者を依存させるために、わざと不安を煽るそうです。相談者を占い師なしでは生きられないようにしてしまうのです。相談者は、占い師に相談していないと不安が大きくなってしまうのです。

同じ手法を、鍼灸師や治療家が利用することも可能です。

たとえば、「あなたの姿勢はよくありません。そのまま過ごしているといつか大きな病気になりますよ。そうなりたくなければ、定期的に通って歪みを整えてください。」などと。

占い師は、相談者が「心当たりがある」と思うことを言って、「この壺を買えば大丈夫です」という言葉に説得力を持たせます。

鍼灸師だって同じ手法が使えるわけです。患者さんに「心当たりがある」と思うことを体を観て言えばよいのですから。

骨の歪みが万病のもと」という考え方が広く知れ渡っています。私のところにやってくる患者さんの多くが、症状と姿勢の関連性を気にされています。

ですから、私たち鍼灸師は「姿勢」を人質のように扱うことができてしまうのです。「この姿勢は危険です」と。鍼灸師に限らず、民間資格の施術者全般に言えることです。

■企てられたリピート

患者さんがリピートする理由には、続きがあります。

あってはならないのですが、、、

 4.(医療者に煽られた)不安をかき消すため

これで上昇したリピート率なら、人気の指標なんかにはなりませんよね。

「患者さんの不安を煽る」ことは、真っ当な医療者が選ぶ態度ではありません。もちろん、経営戦略とはほど遠いものです。ましてや「患者教育」という言葉に置き換えて正当化することは言語道断。

本来は、「治療が必要なくなる日」を目標に努力すべきです。

■患者さんの選択肢

経営者として、たくさんの人に施設を利用して頂く方がありがたいです。「必要とする人に必要とする分だけ」利用していただくだけです。

必要としている人に、情報を届ける努力。
経営者として怠らないように心がけています。

私が目標にしているのは、「もっと早く、こういう治療があるのを知っていたら…」と思う患者さんを減らすことです。鍼灸師にできることはいっぱいあります。ただ、まだまだ知られていません。だから伝え続けようと思うのです。

出会う前の患者さんに選択肢を提供し、
出会った後の患者さんから選択肢を奪わない。

こうありたいと思います。
偉そうなことを書いてすみません。

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コメント

  1. 治療院のリピート率は捉え方が難しい面がありますね。
    治ってないからリピートしてるのか。
    信頼しているからリピートしてるのか。
    惰性でリピートしてるのか。
    治ったからリピートしないのか。
    治療家と経営者の思考で埋まらない溝みたいな話を聞いたことがありますが、いまいちしっくりこないなにかは、ロジックに広がりが多すぎるテーマなのかもしれませんね。

  2. クリ助 より:

    >フルサポートさん
    そうなんですよね。
    「リピート率」だけでどうこう言えない部分がありますよね。このリピート率をめぐる治療家と経営者の衝突は、よくある気もします。

  3. ミーシャ より:

    はじめまして!
    初めてクリ助さんのブログみました。
    私は週1で鍼灸治療に通ってます。
    いわゆるリピーターですね。
    最初は整形外科で治らない腰の痛みで、友人の紹介で鍼灸に行ってみたのです。
    初めての受診では、腰の治療はもちろん、全身の様子を診てくれました。
    私が長年抱えていたいくつもいくつもの体の不調や、体質や生活習慣を指摘されました。
    正直、ものすごく当たる占いに行った気持ちで(良い意味で)びっくりでした。
    でも、私が「一見外で元気そうにしてるけど、一歩家に入るとしぼんだ花のようにガックリ体の力が抜けて、ぐったりした老人みたいになってる」ことを、初めて理解してくれる人が現れた気がしました。
    突発的な腰の痛みはひいても、慢性的な肩こり、耳鳴り、立ちくらみ、冷え、生理痛、頭痛、などなど、どこかがいつも調子が悪いので、自然とリピーターになってしまっています。
    半年以上通院しているのは、先生に全幅の信頼をおいているからだと思います。
    安心して週1回身体の調子を整えて頂いています。
    もちろん元気になれば、治療に行かなくていいのですが、私のようないつも体調の悪さを抱えているモノにはある程度のリピートが必要になるかとおもいます。
    治療と合わせて、自分自身で悪くならないよう気をつける努力もするようなってきました。
    長年ほぼ毎日つってた足の指が、ここ2かげつ

  4. クリ助 より:

    >ミーシャさん
    はじめまして!
    コメントありがとうございます。
    よい鍼灸院に出会えてよかったですね♪
    患者さん目線から、鍼灸の魅力や鍼灸師への信頼を言葉にして頂けると、嬉しいですし、勇気が沸いてきます。
    「よく当たる占い」という表現、面白いですね。
    占い師って、人相、手相、姓名、生年月日…などいろいろな情報を駆使して人を知ろうとしていますよね。
    「人を知る」って意味では鍼灸師も同じですね。ツボなど、身体の観察をして、その人を知り、抱える問題をあぶり出し、解決の糸口を探します。だから、鍼灸師ってすごくたくさんの情報を得ることができます。
    もしかして、占い師より当てられるかもしれません(笑)
    私も、ミーシャさんが通う鍼灸院の鍼灸師のように、信頼してもらえるような鍼灸師でいたいと思います。
    ブログ機能の字数制限で、コメントの文末が切れてしまっていて残念です。せっかく書いてくださったのに、申し訳ありません。もしよろしければ、続きを書いてくださいね。
    時々、更新していますので、また読みに来てくださいね。

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