実力を隠せない関係

■鍼灸師が二人いる幸せ

本日で、群馬のスタッフ研修が終わります。

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改めて事情を説明しますと、6月2日から7月1日までの1ヶ月間、姉妹院であるカポス(東京)のスタッフが私が居る養気院(群馬)に来ていました(群馬研修日記)。このような企画は今回は初です。そもそも、養気院は開業以来、ずっと鍼灸師が私一人でした。「鍼灸師が2人居る」という状況は、この1ヶ月だけでまたすぐに元に戻ります。

カポスが3人、そしてそのカポスのオーナーである私が群馬で1人。3対1になると、群馬の一人は寂しさを感じます。厳密には妻のクリ子が手伝いに入っている時間帯があるので、一人というわけではないので、「鍼灸師が一人」という条件を付け足しておきます。

こんなふうに、群馬にいながら東京の鍼灸院を経営できるのは、東京のスタッフのおかげです。「ほったらかし」と言われても反論ができないくらい私は何もしていません。謙遜でも何でもなく、実際のところ、群馬で一日中、臨床しています。夜間や休日には原稿を書いていることも多く、カポスに使える時間はごくわずかです。

■ツボ選びを規格化

何だかんだ言ったところで、私の取り柄は臨床しかありません。利を活かそうと思ったら臨床サポートを厚くすることです。この点に関しては努力と工夫を怠らないようにしています。ダイレクトにカポスの患者さんに接することができない分、技術でサポートしています。どこにも負けない気迫でやっています。

遠隔から技術サポートできるのは、技術を記号化しているからです。鍼灸は感覚的に習得するものであることは間違いありませんが、数学のように頭で理解しなければならないことも多々あります。

私が使っている技術は、ツボ選びのルールから取穴(ツボを選んで位置を特定すること)を完全に統一しています。スタッフ同士が技術をシェアできるという点ではトップレベルでありたいと思っています。実際に、高いレベルに到達しているという自信があります。ここに自信がなかったら、東京の鍼灸院を経営することはできません。

■実力が丸裸にされる時

通院している患者さんの理解を得て、スタッフの浦井が施術室をのぞき、私の臨床の一部始終を見ていました。患者さんと共に、私もずっと見られていたのです。この1ヶ月に通院した、延べ300人を越える患者さんの7割くらいを見ていたので、200症例以上をさらけ出したことになります。私の実力が完全に丸裸です。

困難な症例もありますし、全てが思うように進むわけではありません。良いところばかり見せたくても、そういうわけにはいきません。満足な結果が得られずに、悩み模索する姿もさらしてきました。でも、それで良いのです。研修で見せたいのは、うまく行かない時の私の姿なのですから。

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私たちが携わっている医療は、いつもよい結果になるとは限りません。どんなに技術力を高めたとしても、治らない症例をゼロにすることはできません。私たちの真価が問われるのは、よい結果が得られなかった時です。そんな時、患者さんとどう接し、何を反省し、次にどう挑むのかという態度や姿勢です。

■見せたい部分=見られたくない部分

セミナーの講師をする際には、行き詰まった状況をわざわざ見せることはしません。迷ったり悩んだり悔しがったりする姿はスタッフにしか見せることができません。だからこそ、スタッフには見せたい部分なのです。理性的にはそうですが、感情的には一番見せたくないところでもあります。カッコイイところだけを見せられるなら、そうしたいです。

一人でやっていると「患者さんが喜ぶように」と考えるだけで十分でしたが、スタッフに一部始終を見られていると、「カッコイイところを見せたい」という、本来の軸からズレた欲求が沸いてきます。

余計な感情のようですが、「見られる」ことで自分の臨床を客観視できました。ごまかせない状況に自分をセットすることは大事なことだと改めて思いました。スタッフの成長を見守る傍ら、私も少し成長できたような気がします。

■浦井デビューの時

浦井は、7月4日からカポス(品川)のスタッフとして勤務します。すぐに臨床に出ませんが、既に彼女はカポスの戦力となっています。鍼灸院の仕事は鍼をすることだけではありません。患者さんが安心して通院できる環境をつくることも仕事です。そういう意味で、現時点で浦井は初日からしっかり仕事をしています。群馬で続けてきた「群馬研修日記」もその一つです。

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浦井には臨床経験があります。しかし、カポスの技術は特殊です。見立てからツボ選びまでの根本的なルールが違うので、これまでの経験をいったん白紙に戻し、覚え治す必要があります。その覚悟をもって入社してきています。その覚悟を裏切らないように、しっかりサポートします!

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