私の職業は鍼灸師ですが、PCがないと仕事になりません(仕事は鍼灸だけではないので)。スマホやタブレットは閲覧するには便利なものですが、情報発信には、しっかりしたキーボードが必要です。
鍼灸師にとってPC選びも仕事のうちです。何を選ぶかで、仕事の質も量も変わります。うちの鍼灸院(群馬&品川)では鍼灸技術の他にPCスキルの向上も重要な課題にしています。
PCが得意だから出世するわけではありませんが、開業鍼灸師にとって、PCが得意であることは圧倒的に有利です。今回は、情報発信の基本である文章を書くために最適なキーボードを紹介します。

■Windows と Mac
同業者間でPC談義をすると必ず出てくるのが「WindowsとMac、どっちがいいの?」という話題。たいがい、私がこの議題を持ち出すのですが、結論が出たことがありません。
私は、Windowsを使っています。Macが嫌いだからではありません。むしろ憧れています。余裕があれば両方使ってみたいと思っています。Apple製品に魅力を感じるので、スマホはiPhoneですし、iPad miniも使っています。
今、欲しくなっているのがiPad ProとApple Pencil。ある方が勉強会でメモ用に使っているのを目撃し、その使い勝手に惚れ込んでしまいました。
その方いわく「これはコンピューターの完成形です」
どうして、こうも彼(=谷地さん)の言葉は私の心に刺さるのか。その言葉を聞いた後、こそこそと「iPad Pro」とGoogleの検索窓に打ち込みました。

■Windowsを使っている理由は、今さら変えられないから
私がWindowsを使っているのは、これまで使ってきたからです。変えるリスクと手間を避けるためです。
もう一つの理由はキーボードです。Macもデスクトップなら自由にキーボードを変えられますが、ある意味Macではなくなります。
WindowsでMacのキーボードを使いたい人はこちらが参考になります。
◎『Windows用のキーボードをMacで使いたい『Seil』アプリ』(外部)
でも、ノートではそうはいきません。キーボードが本体と一体化していますから。Macのキーボードは良く出来ていますが、ストロークの浅さは気になります。最近は、デスクトップもノートと同じタイプなので、浅いストロークです。問題ない人には問題ないことですが、私には重要です。
■キーを指のどこで叩くか
最近のノートPCはほとんどがアイソレーションキーボードです。Applelが2006年に発売したMacBookに搭載したのが最初で、それから徐々に普及し、爪を伸ばした女性に使いやすいという話も出てきて、あっという間に当たり前になりました。
キーストロークの浅いノートPCのキーボードは、指の腹で押した方がよさそうです。私のように指に第一関節を曲げて指先で叩くタイプには指への負担が大きくなります。

■ノートPCの最強キーボード「ThinkPad」
しかし、ノートのキーボードに妥協しないブランドがあります。ThinkPadです。IBMのPCブランドであったThinkPadが買収され、現在はlenovoが販売しています。ThinkPadのキーボードは、真ん中に赤い玉(トラックポイント)があるので「アレか!」と思い出せるかと思います。
ちなみに、あの玉はマウスの代わりです。手をキーボードから離さずにマウスポインタを動かせるので、作業効率を追究するビジネスマンから支持されています。
養気院とカポスの受付にあるノートPCはこのThinkPadです。打鍵感はノートPCの最高峰と言われているほどです。ただ、スタッフはそれほど気にしていない様子…。
「ThinkPadのキーボードが最高である」という話は、ちまたでは有名です。このキーボードをデスクトップでも使いたい人のために商品化されています。お値段にも驚きます。

ちなみに、ThinkPad以外でキーボードで感触が良かったのは、マイクロソフトのSurface Proです。打鍵感のしっとり感が心地よくThinkPadにはない魅力があります。
■ThinkPadの打鍵感が低下したという噂も
大型電気店のパソコン売り場で、片っ端からキーボードを押しまくっているのは私です。一つのマシンのところで立ち止まると、店員さんが駆け寄ってきて「パソコンお探しですかぁ~?」となってしまうので、歩みを止めないことが重要です。

評価の高い伝統的なキーボード

2012年に投入されたアイソレーション型のキーボード
薄型化の波にThinkPadも巻き込まれています。2012年のX1 Carbonという薄型が初だと思いますが、ここからアイソレーションキーボードに変わり、ファンの間で「ThinkPadの打鍵感が失われてしまった」で嘆かれていました。
ノートPCは持ち運びができるのが最大の特長。薄型化、軽量化は仕方ありません。ただ、そこにはキーボードが犠牲が伴うのです。話は変わりますが、テレビが大型化・薄型化した頃にスピーカー性能が犠牲になったという話と似ています。
■ThinkPadのプライド
ThinkPadは意地を見せました。アイソレーションになったキーボードもノートPCの中ではトップクラスです。
工夫は、キーの形にあります。通常は、角が丸まった四角なのですが、ThinkPadは違います。メンブレン式のキーをユーザー視点から見た時と同じ形に見えるようになっています。しかも、形状が微妙に違っていてブライドタッチする際に間違えにくいように工夫されています。

デスクトップのPCのような感覚でそもまま使えるように配慮されています。普段はデスクトップだけど、外出先ではノートみたいな使い方をするビジネスマンにやさしい設計です。
ストロークは決して深くありませんが、キーを押し切った時のつまり感がやさしくなっています。キーを押し切って、さらにグイッと入る設計になっているのです。素っ気ないデザインなのに芸は細かい!
書きたいことが頭の中に溢れて来てタイピングの速度が増すと、打鍵は自然と強くなるのです。夢中になっている時、そぉ~とは打てないものです。
ブログを書くことを嗜んでいる私のような者には、脳の興奮を受け止めてくれるキーボードが必要です。前に使っていたノートPCはVAIOでしたが、キーボードのストロークの浅いアイソレーションだったので、熱中すると指が痛くなってきます。
■デスクトップとノートを使い分けている人に大事な配列
打鍵感と共に重要なのはキー配列です。大雑把にいえばどれも同じですが、細かいところはだいぶ違っています。ノートPCは小型化のために、メーカーも工夫を重ねて最適な配列を模索しています。機種や年代によって配列が微妙に異なっています。
私がノートPCの中からThinkPadを選んだのは、キーボード配列が機種や年代によって変わらないからです。新しいThinkPadに買い換えても入力が犠牲にならないように配慮されているのです。
ThnkPadのデザインは男臭いです。女性はどう思うのでしょうか。私もダサイかも…と思ったことがあります。しかし、それは間違いでした。デザインは完成されているのです。
■PCのトラブルはストレスしか生まない
私の本業は鍼灸師として患者さんを診たり、鍼灸院を経営したり勉強会を運営することなので、PCは完全なる道具です。最高の道具は使っていることを感じさせないものだと思います。安定して動くこと、ストレスなく使えることが条件です。
よいPCに出会えれば、患者さんのために使える時間が増えます。PCトラブルやアプリケーションの使い方がわからず迷走していると、半日はすぐに過ぎ去ってしまいます。無駄な時間です。
私は、PCのメンテナンスを時々プロに依頼します。このブログを書いているPCも5年以上経っていますが現役です。HDDをSSDにするなど補強しています。4Kディスプレイが使えるようにグラフィックボードも載せ替えました。こうした作業を自分でやったら何日もかかります。プロは半日。待つ間、仕事ができるので作業代が惜しくありません。
■日本語配列とUS配列、これから買うならどっち?
キーボードには、大きく分けて日本語キーボードとUSキーボードの2種類があります。メーカーによっは注文時に選ぶことができます。Macもlenovo(ThinkPad)も選ぶことができます。

左:日本語配列 右:US配列
どちらがよいのか、これも議論しても答えはでません。私の方針はUSキーボードです。見た目の大きな違いはEnterキーが小さいことです。横長のEnterキーであればUSキーボードです。
タイピングのスピードを追求したら、間違いなくUSです。なぜなら、Enterキーがホームポジション(親指をスペースキーの上、左人差し指をFキー、右人差し指をJキーに乗せた位置)のままEnterキーを押すことができます。
日本語キーボードは、Enterキーまでキーが一つ多いため、ホームポジションが崩れます。たったキー一個分の違いですが、1日中使っていると大きな差です。
難点としては、まだまだ日本語キーボードが主流であること。いったんUSに慣れてしまうと、お店(ネットカフェ)や他人のPCを借りた時に戸惑います。ただ、時代はUSの方に向かっているので、これからホームポジションにこだわったブラインドタッチをマスターするなら、絶対にUSがおすすめです。
USキーボードについては、今年の4月に記事にしたことがありますので、さらに詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
◎『キーボードを日本語JISから英語USに変えるメリットと混乱』
■デスクトップPCの最強キーボードは何か
本気で行くならRealforceがおすすめです。私が使っているものです。2万円くらいするので、キーボードとしては高級品ですが、いくら使っても壊れる気配がありませんので、トータルで見ると高くありません。
キーボードなんて壊れるの?
と思っている人もいるかもしれませんが、壊れます。一つでも壊れたらもったいないけれどゴミです。デスクトップPCは変えてもキーボードは変えない主義です。

Realforceの魅力は耐久性だけではありません。スピーディな入力が可能です。なぜなら、キーストロークは4mmあるのですが、2mm打ち込んだ時点で反応してくれます。
最後まで打ち込まなくても、軽くポンポンするだけでタイプすることができます。ガツっと打ち込みたい人も、ポンポンとなでるように打ちたい人にも対応できるキーボードです。ノートPCを主で使っていて浅いストロークが標準になっている人もRealforceなら戸惑いません。
こうした性能は「静電容量無接点」という特殊なキー構造に秘密があります。
詳しくはこちらのページが役立ちます。
◎『FPSでRealforceを使う3つのメリットと魅力』(外部)
■開業している鍼灸師や柔整師に必要なPCスキルはどこで学べばよいのか
今回はキーボードのことを中心に書きましたが、他にも必要なスキルはたくさんあります。PCの専門家ではないから、最低限のスキルで十分です。私が知る限り、開業している人は、みんな独学でそういうスキルを身につけています。学校では教えてくれませんから。
そもそも、これから仕事用にPCを買おうとしている人は、WindowsがよいのかMacがよいのか、そういう部分からして迷うかもしれません。たとえば、私がMacを導入して、すんなり使えるように半日くらいみっちりとレクチャーしてくれる人がいたら、喜んでお代を支払います。
もう何年も前から鍼灸師や柔整師に必要なPCスキルをまとめてレクチャーしてくれる人や勉強会があったらいいなと思っています。いっそうのこと、そういうものを企画してしまおうか、と昨日思いました。次回はその構想について書いてみます。
■(おまけ)ThinkPadと日本人
せっかくなので、ThinkPadの魅力をこの機会で語ります。ThinkPadは今では中国メーカーのlenovoが所有するブランドになっていますが、もともとは、アメリカのIBMのPCブランドでした。ThinkPadが生まれたのは1992年。実は日本で開発されていたのです。
lenovo(本社:中国)のブランドになってからも、開発はレノボ・ジャパン横浜事業所大和研究室で行われています。事情が複雑になっていますが、ThinkPadは日本で開発されているノートPCです。しかも、現在は、山形県米沢市で生産されています。
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