経営論_04「素人感覚」

マーケティング論_01「タブーへの挑戦」
マーケティング論_02「囲い込むのは誰のため?」
マーケティング論_03「コンサルタントが知らないこと」
マーケティング論_04「コンサルタントだけがわかること」
技術論_01「心配事が関心事に変わる時」
技術論_02「人間性という名の技術」
技術論_03「患者さんを選ぶ」
技術論_04「技術を選ぶ」
技術論_05「マシな技術ですみません」
技術論_06「捨てられた技術にヒントあり」
技術論_07「開業鍼灸師の経済学」
技術論_08「低予算で学ぶ」
技術論_09「真髄に迫る(低予算で学ぶ2)」
経営論_01「広告費ゼロ戦略が生みだした財産」
経営論_02「小さな鍼灸院」
経営論_03「患者さんの心は経営の鏡」

先週の木曜日は東京でした。

整体業界にとてもとても詳しい方とお会いすることができました。施術家でありながら経営やマーケティングに精通していて、その能力は計りきれません。ウェブやITにも強く、最近のツールを使いこなす姿が印象的でした。

コンサルタントという顔もあり、業界をクールに分析していましたが、施術家の心と技術を本当に大事にする温かい方でした。

話が面白くて…、

午前中だけのお約束でしたが昼食までご一緒してしまいました。他では聞けない貴重な生情報をかばんに詰め込んで帰ってきました。

大切にしたいご縁がまた一つ増えました。
ウェブの力に感謝です。

■流派は重要か

整体に対する考え方は2つに別れると思います。一つは、無免許(無資格)施術者という見方。もう一つは同業者という見方です。これはあくまでも鍼灸師から見た話です。

実際問題、知っておかなければならないのが、業界の外からみた鍼灸の位置づけです。ここを正確に押さえることが経営のポイントになると思います。

鍼灸業界の中も外も混沌としています。患者さんは選びたい放題であると同時に、何を選んでよいのか迷路にはまりやすい時代と言えると思います。

なんだかんだ言っても、つまるところ、患者さんは「治るところ」を選びたいのです。

ウェブで治療院などを探している患者さんが、鍼灸の流派に興味があるでしょうか。患者さんにとっては「鍼灸」というカテゴリが重要です。流派というのは、鍼灸を選んだ後に関わる話ですが、最後まで流派を意識しない患者さんも大勢いらっしゃるはずです。

ですから、鍼灸未経験の患者さんに流派の自慢をしても、想いが届くとは思えません。そんな現実をわかっていても、こだわりは自慢したくなるものです。こだわっていればいるほど。

自分は必死でも、端からみたら痛々しい空回りです。
私の体には数々の傷跡が残っています(笑)

■鍼灸師の目を捨てる

空回りしないためには、鍼灸師の枠から一旦出るのが早いのかもしれません。腰が痛くなったら誰に相談するのか、どうやって探すのか、どんな情報を頼りにするのか、迷ったときは何を頼りに結論を出すのか…。

患者さんの目線を想像するにあたり、私のPCが壊れた時のことを思い出してみようと思います。

 1.自分で何とかならないかあがいてみる。
   (痛みを和らげようともんでみる)

 2.どうにもならないので、ネットで解決法を検索
   (痛みがとれないので、対処法をネットで調べる)

 3.試してみても復旧しない
   (試しても痛みがおさまらない)

 4.どうにかしてくれる人を地域内で探す
   (治してくれる医療施設を地域内で探す)

 5a.なければ地域を拡大して探す
 5b.ありすぎたら地域を縮小して探す

 6.発信されている情報から復旧の可能性を探る
   (発信されている情報から改善の可能性を探る)

 ・・・

こんなパターンになると思うのです。

お世話になったPC修理屋さんがどんな資格を持っているのか知りません。何度もお世話になっているというのに。

ある時、雷にやられてデータにアクセスできなくなって復旧に5万円かかりましした。その後、別のトラブルで困った時もそこに依頼しました。迷わず同じところにお世話になったのは、初回の請求額である5万円に納得していたからです。納得できたのは、説明が丁寧であったことに加え、親身になって話を聞いてくださったからです。

■疑う余地

別のケースで考えてみます。

昨年スマートフォンが壊れたので、あるショップに持っていきました。不具合を説明すると、店員さんが料金表を見せてくれました。支払いは受け取り時ということで、スマートフォンを預けて店の外に出ました。

数時間後、再びお店を訪ねると店員さんは私のスマートフォンを持ってきて言ったのです。

「別の部品も壊れたので交換しておきました。料金はこうなります。」

明細を見ると、料金表に載っていなかったコストが加算されていました。「○円」の「」の部分だと思います。

破損部分を見ていない私は店員さんを信じるしかありません。「」のところは信じるしかないのです。疑うかどうかは私次第です。実際、証拠写真がないことと店員さんが事務的対応だったので、私はちょっと疑ってしまいました…。どうしても納得できなったのです。

■素人判断

PCの事例も、スマートフォンの事例も何が行われたのか見ていません。でも、私の納得感は全く違うものでした。PCの時は「データを復旧させてくれてありがとう」と思い、スマートフォンでは「余計な出費になったなぁ…」と思いました。

結局は、素人の判断ですよね。
この素人の判断によって経営は左右されてしまいます。

私たち施術する者は、技術を磨けば磨くほど素人感覚を忘れがちです。
素人感覚を忘れたら経営のバランスを失い、落下してしまうような気がします。

まだまだ綱渡りしていきたいので、初めて鍼を受けた時の「不安」と「感動」を忘れずにいようと思います。

つづく

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コメント

  1. でくの坊 より:

    栗原先生の鍼灸に対する姿勢は毎回、脱帽致します。楽しんで仕事をしていると言うのは正にこのことかいな?と正直羨ましくもあります。大変な苦労をしてきたからこそだと思いますけど。
    素人患者から一つ注文と言うか意見と言いますか、サラッと流してくださって問題ないです。
    鍼灸院で鍼を身体に刺しますよね。その際に、補足程度でいいので説明みたいなのがほしいかなって。なにしろ患者側からしてみたら、肩が痛いのになぜ腕?背中?といった感じで疑問だらけだからです。確かに施術後は手品の様に痛みは軽減されていますが、今、この鍼は、何々を刺激して何々を弛めているとか、ちょっとした説明があれば、患者の意識にも影響が与えられ、治癒力が上がりそうな
    気がするのです。
    偉そうなことを書き込み失礼だとは思いましたが、半信半疑な意識より、なるほどといった意識がある方がいいのかなあ?と思った次第です。

  2. クリ助 より:

    >でくの坊さん
    貴重なご意見ありがとうございます。ご注文ありがとうございます(笑)
    確かに肩の痛みに腕や背中からアプローチすると、何がなんだかわかりませんよね。実は、ここは悩みどころでもありまして、「どこまで説明するか」で考える時がよくあります。基本的に、私は説明したがりなので自制しています。ご質問をいただければ、どんどんお答えしますよ。
    説明によって効果が変わるかどうか。興味深い視点だと思います。これは私たち鍼灸師の中でもときたま議論される内容ですね。間違いなく患者さんの意識によって効果が変わると思います。
    患者さんの意識に加え、私の意識も関与しています。患者さんが無意識であることによって、私の意識を優先させるという技術的背景もあります。もちろん、患者さんの意識と術者の意識がピタリと合い、さらにツボがストライクであればこれ以上はないと思います。
    でくの坊さんのご意見を参考にして、患者さんの意識の活用をさらに研究してみたいと思います。
    P.S.
    でくの坊さんのコメントのおかげで「半信半疑でも鍼は手品のように効く」ということをこの場で伝えることができて嬉しいです♪

  3. まつみ より:

    初めまして。埼玉県に住んでいます、鍼灸師です。楽しく読ませて頂きました、ありがとうございます!
    夢は開業と言いたい所ですが、自信が無いのです。一途に真っ直ぐな先生がうらやましくも眩しくも思いました(^O^)/。また、拝読させて下さい!

  4. クリ助 より:

    >まつみさん
    お隣の県ですね。よろしくお願いします。開業を夢見ていらっしゃるのですね。私は自信がありませんでしたが、勇気がありました。ただ、自分で勇気と呼んでいたものは、周りは「無鉄砲」と呼ぶようですが(笑)
    自信は、自信をつけられるところから付ければよいと思います。私だって、何でもできるわけではありません。できることとできないことがわかっているだけです。また、ブログに遊びにきてくださいね。

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