前の記事から何となく続いています。

世界で鍼医学と言えば・・・
鍼と言えば中国と思っていますよね。
中国が発祥の地ですし、中華人民共和国となった今でも共産党は世界の鍼灸をまとめようとしています。ですので、歴史的な背景と国家の政策からして、「鍼灸は中国」といイメージは妥当です。
ちなみに、中国の伝統医学は世界で次ののように表記されています。
英語 TCM(Traditional Chinese medicine)
スペイン語 MTC(Medecine Traditionnelle Chinoise)
日本 中医学
他の言語ではわかりません。
続いて、日本の鍼灸は世界で何と言われているのか…。
実は呼び名がないのです。
日本の鍼は中国とは違うというイメージを持っている人はいそうですが、日本の鍼灸をまとめて表記する方法はないのです。せいぜい、Japanese Acupunctureと表現する程度です。
世界における日本の鍼灸の地位は低いという以前に、カテゴリが存在しないのです。悔しいとか負けているとか、そういうレベルまで達していません。評価されているのは個人レベルです。
にも関わらず、「日本が世界の鍼灸の中心になる」と言っている私。もちろん根拠があってのことです。課題をクリアしていけば、10年で日本の鍼灸が世界を牽引する立場になります。
日本人のコンプレックス
日本人が、ファッションで欧米にコンプレックスを抱くように、鍼医学では中国にコンプレックスを抱く傾向にあります。「中国で修行してきました」と言えば、パンチ力がありますし、患者さんも一瞬でその権威性に目がくらみます。
私は中国に行ったことがなく残念ながら実体験が語れません。そんな私でも言えることは、中国の鍼医学がすべての面で上ではないことはわかります。日本には日本人が独自に磨き上げてきた鍼があります。
この意味は、「日本のラーメンや餃子って美味しいよね?」と言えばわかって頂けると思います。ラーメンはすでに和食です。ラーメンは中国料理と言えたのは、ラーメンマンの時代までです。

鍼灸も似たような状況です。ラーメンと違うのは、日本の鍼灸を表す言葉が世界にないことです。
日本人は、神道(しんとう)の国でありながら仏教を問い入れ、神仏習合を成し遂げました。神社の中にお寺があったり、お寺の中に神社があったりと、他国では絶対にやらないことをやってしまいます。異文化を調和させるのが得意です。宗教を信じていないのに、お寺や神社を巡る人がたくさんいるのが日本です。キリスト教のクリスマスも取り入れ、ここ数年ではハロウィンを取り入れてしまいました。

違いと出会った時に、否定することなく受け入れてしまう日本人。日本人は何を信じているのか分かりにくいですが、それこそ日本人らしさです。
さて、ここで鍼医学に話を戻しましょう。
こだわらないところが日本人の強み
鍼医学における中国のアイデンティティは「経絡を発見した国」という前提の上に立っています。中国にとって、経絡は「創作」ではなく「発見」と言った方が都合がよいのです。そんな事情に日本人が巻き込まれる必要はありません。
中国は、経絡から離れられない運命にあります。それを否定することは、中国が世界の中心である理由を捨てることを意味するからです。中国の鍼医学は経絡なしには説明できません。
いっぽう、日本人は経絡に強いこだわりをもちません。学校で習うから何となく知っているという鍼灸師も少なくありません。
強いこだわりを持っているのは、ごく一部です。多くの鍼灸師は「経絡があるのかよくわからないけれど、みんなが言っているのだから、そういうものがあるのだろう」と、受け入れてしまいます。
こだわらず何でも受け入れる!
私が思う、日本鍼灸が世界に中心になれる根拠です。
経絡理論は、鍼灸の歴史においてもっとも重要な理論です。鍼医学の理論を経絡で表現しなかったら今日まで続かず途絶えてしまったかもしれません。これまでは歴史が重要でした。
鍼灸のエビデンス
歴史を尊重する姿勢は大事ですが、患者さんが知りたいのは科学的根拠(エビデンス)です。
鍼灸も科学の目にさらされ、拒み続けることはできないでしょう。中国の立場では、経絡ありきの研究ですから、焦点は自ずと経絡の証明になります。このテーマを外すことは構造的にできないのです。
それに対して、日本人は守るものがありません。新たに歴史をつくることができます。時代が必要とすることを迷うことなくやれるのです。中国伝統医学の叡智を吸収しつつも、自由な思考が許されているのです。
そんなことを言ったら他の国も条件は同じと言われそうですが、日本が圧倒的に有利です。それは漢字があるからです。ツボの名前には意味が込められていることが多いのです。当時の鍼灸家が込めた想いを受け取れるのは漢字文化のある国だけです。
この天枢(てんすう)はツボの名前です。親が子供に名付ける時に意味を込めるように、このツボの名付け親も重要な意味を込めたはずです。その意味を考えることで重要な事実が見えてくることがあるのです。勉強会ではそんな話をして一人で盛り上がっています(でも内容は真面目です)。

中編につづく…国際化のために中国が捨てたもの
・はりきゅう養気院(群馬県伊勢崎市)
・はりきゅうルーム カポス(東京都港区/品川駅)
お知らせ(求人)
【よろしければ投票してください】
応援クリックありがとうございます(1日1クリック有効)。
2つのランキングサイトにエントリーしています。
![]()




コメント