鍼灸師とお産-第2章(5)のつづき
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助産師さんが少し慌てているように見えました。
想像ですが、想定外のことが起こっているのでしょう。おそらく、助産師さんの準備が間に合っていません。慌ただしく器具が運ばれてきます。電話をかけてドクターと連絡を取っています。
クリ子の表情は歪んでいます。
もう、全く余裕はありません。
ここまで来ると、陣痛の間隔がどうとか話している場合ではありません。
汗が噴き出て苦しそうにしているクリ子に訊ねてみました。
「どう?」
と訊ねても、
「痛い」
という回答。
そりゃ、そうだ。
こういう時は割り切ってデジカメの準備。
うっかりしていて三脚を忘れてしまったのです。
適当な台をみつけてセット。前日に届いたカメラの高感度性能が試されます。
動画で撮影開始。
足元側からはさすがに難しいので頭側から。
午前4時0分
陣痛が一段と激しくなっています。
なんていえばよいのでしょう、完全な「産むモード」です。
「お母さん、がんばって!」
クリ太が声をかけます。
カメラもセットしてあることだし、息子と一緒に応援に専念です。

(薄暗い部屋がこれだけ映っていたので高感度性能に満足。)
午前4時10分
ドクターがやってきました。
まさにちょうどその時、事が起こりました。
頭がニョキーっと出てきました。
おぅ、おー!!
驚いている暇もなく、産声が上がりました。
頭だけ出して赤ん坊が泣いています。
えぇ、えー!!
このタイミングで泣き出すの!?
その光景があまりにおかしくて、笑ってしまいました。
ドクターが笑っていたので、こういうパターンもありだとわかり安心できました。
ただ一人笑えないのはクリ子。
まだ頑張っています。
出産シーンを見て4歳のクリ太がどうなるか心配していましたが、極めて普通。
リアクションがないので、どう感じているのかさっぱりわかりません。
それから間もなくのことです。
赤ん坊が出てきました。

おー、女の子!
この時始めて性別を知りました。
時計は4時20分を指しています。
子宮口の全開大を確認してから25分。
予定どおり!
破水から計算すると、2時間半後の事でした。
まだお産は終わりではありません。
臍の緒もついていますし、胎盤はまだ子宮の中です。
(つづく)


コメント
臨場感あふれる中継を読んでいるようで、現場の雰囲気がよく伝わります。
お産の時間は、陣痛の間隔が10分おきになったところから、胎盤が出たところまでを計算するので、もっと短いですよね、分娩時間。すごいですね~(母子手帳に分娩所要時間が書いてあるはずです。)
お兄ちゃんも立会でしたかぁ
感想は聞けましたか?
>たけ産婆さん
お産の生々しさを伝えたようと思って書いていたので、臨場感が伝わっているようで安心しました。助産師さんに行っていただけたのでなおさら。
胎盤が出たところまで計算するんですね。知らなかったです。母子手帳には「4時20分」と書いてあります。時計をずっと見ていたわけではないので、胎児が出てきた時刻はもっと早かったのかもしれません。
息子のクリ太に感想を聞きましたよ。
「脚に頭が挟まっていた。」と言っていました。「感動した」的な言動を期待していましたがいっさいありませんね(笑)