『アントレ』取材レポート

異業種コミュニケーション(9月11日)のつづき

アントレの表紙と記事(養気院)

アントレ12月号にクリ助の独立エピソードが掲載されました。
「『つながり』の力」という企画の1ページです。

クリ助の鍼灸院は個人で営む小さなところです。そんな小さい鍼灸院でも周りの助けがなければ成りたちません。私にとって「つながり力」は繁盛のコツではなく前提です。

独立してから7年以上が経ちますが、助けてもらった回数は数えきれません。気がつかないところで助けてもらっていることもあるはずです。

雑誌では、多くのつながりの中から2つを取り上げていただきました。施設づくりでは清水さん、ウェブ運営では高橋さんです。お二人のことはこのブログで取り上げたことがあるので、ここでは割愛します。

 →清水さんネタ
 →高橋さんネタ

■独立直後は空回り

独立のメリットは何と言っても自由。
経済的にはピンキリなので、メリットになるかデメリットになるかは・・・?

独立を目的に鍼灸師になる方も多いと思いますが…、私の場合は全くそういう感覚はなく、ただただ鍼灸を仕事にしたかっただけでした。独立したばかりの頃を思い返せば苦労ばかりです。鍼灸ができる、という喜びがその苦労を感じさせないようにしていただけのことです。もし、興味のないことだったら、すぐに撃沈していたと明言できます。

あの頃は、自信がなかったです。技術のことではないのです。
鍼灸の魅力を伝える自信」がなかったのです。

「鍼灸はマイナーだから世間に受け入れてもらえない」という恐怖が強く、その気持ちを打ち消そうと必死になっていた頃があります。

今は「クリ助は鍼灸大好き!」と言いふらしていますし、「どこかに鍼灸好きがいるものだ」と信じています。最初からこうであればラクだったと思います。独立当初は、あれこれと企画を立ち上げて鍼灸に目を向けてもらえるように努力していました。そして空回りばかり。

ある運命的な出会いをきっかけに、気持ちがスッと定まりました。
独立した気持ちそのままでやっていこうと。まさに「初心」というやつですね。

福岡の「りんご堂」には感謝しています。
好きなようにやればいい、と教えてくれたりんご堂。

世間との接点に悩むうちにブレれていたコンセプト。
それを元に戻しただけで色々なことが好転しました。

そして自信を取り戻しました。
鍼灸の魅力を伝える自信を。

■父との衝突

つながりと言えば、父の存在も忘れてはいけません。

私の独立は地元に戻るという意味でもあったので父は喜んでいました。世話好きの父は、アドバイスもたくさんしてくれました。役立つものもあれば、時代に合わないものもあり・・・取捨選択に苦労しました。意見の対立は数え切れないほど。激しい衝突は一度や二度ではありませんでした。

よく思い出すのはタバコのやりとり。

父は、喫煙者のために駐車場(エントランスのすぐ近く)に喫煙スペース(灰皿)を用意した方がよい、という意見。それに対し、私は、吸いたい人は自分のクルマで吸うか、携帯灰皿を持っているから大丈夫、という意見。表の目立つところに灰皿を置くのは、喫煙を推奨しているような気分になり、嫌だったのです。

父は「タバコを吸わなから吸う人の気持ちがわからないのだ。」と、愛煙家の立場をぶつけてきました。それに対して、吸う人には吸わない人の気持ちはわからない」と返す私。互角。

話はそれますが、数年前の患者さん、入ってきてすぐに「ここはタバコ臭いですね」と不快な表情をされました。臭いの正体はタバコではなくお灸です。「よい香りですね。」と感想を頂くことの方が多いのですが、煙は何であっても嫌という方は香りの区別なしに嫌なものなんですね。来院されたのは一度きり。

こんなふうに意見が分かれる場面で大事なのがコンセプト。コンセプトさえ先に用意しておけば、何を選択すればよいのかすぐに結論が出てきます。

喫煙所の話であれば、タバコを吸う人、吸わない人では、どちらをより歓迎するのか、という話に置き換えられます。クリ助の出した結論は後者。また、お灸の煙に対しては「お灸が嫌な人は来なくてもいいですよ、だって鍼灸院なんですから」と割り切ればよいだけの話です。

コンセプトとは対象を明確にすること。
つまり「どんな方に利用してほしいのか」をハッキリさせること。

■目立っては困る看板

コンセプトがハッキリしていると、業者さんと打ち合わせするときにも順調です。最近、看板やサインを交換しましたが、それもコンセプトが役立ちました。

いつもお世話になっている清水さんに看板のことを相談した時のことです。そこに別の業者さんもいて、看板のアイデアを出してくれました。

後日、清水さんと二人で話す機会があり、看板について「クリ助さんの考えているものとは違いますよね」と感想を話してくれました。

クリ助のコンセプトを伝えていなかった業者さんは、目立つ看板(宣伝目的)にするには、という視点で考えていたと思います。

しかし、実際は目立つ看板は必要なかったのです。看板を見て来院される方よりも、口コミやウェブ経由でやってくる方を重視しているからです。そのことを十分に理解していた清水さん。

■ウェブで変わる患者層

ウェブ運営でも言えることです。

これまでの経験から、ウェブサイトのデザイン一つで来院される患者さんの性別、年代、症状が変わることがわかっています。

ウェブサイトのあり方に正解などなく、コンセプトが反映されていいるかどうかがポイントになります。ピタリと一致すれば、得意分野で勝負ができるために結果が出やすくなります。

技術があればどんな方でも・・・

と意見もありますが、それは理想論です。完璧な技術が存在しない以上、得意分野で腕を振るうことを考えるべきだと思います。それが患者さんのためです。患者さんは、自分の症状を得意とする鍼灸師に診てほしいはずですから。

あとは雰囲気ですよね。
相性に関わる問題です。

相性ばかりは腕(技術)ではどうしようもありません。
自分の持っている雰囲気をウェブで表現することも重要だと思います。
やはり、ウェブデザイナーにコンセプトを伝えておくこと、大事ですね。

■症状≠悩み

クリ助が仕事を依頼する業者さんを選ぶとき、一番重要視しているのが「コンセプトに耳を傾けてくれるかどうか」です。伝わると本当にうまく行きます。

クリ助が患者さんと接するときも、同じ要領で考えるべきだと思っています。コンセプトは「悩み」に言い換えることができます。

患者さんの「よくなりたい」という言葉は、「よい看板をつくりたい」というのと同じで、要望があいまいです。なぜ辛いのか、よくならないとどういう事で困るのか、どういうことが不安なのか、など、症状の本質を探すことが最初の一歩です。極端な話、症状がとれなくても悩みが解決する場合もあります。

鍼灸院経営に必要なのは、患者さんとのつながりをもつこと。
安定した経営を営むには、患者さんがやってきた理由がどこにあるのかを丁寧に探すことが大事なのでしょう。

人気ブログランキングに投票

コメント

  1. なつみかん より:

    お久しぶりです^^
    ブログはいつも楽しみに読ませていただいてます。
    業種は違いますが、私もお客様(利用者様)に食事を提供している仕事に関わって約10年になりますが、自分の仕事を理解していただくことの難しさはいつも感じています。
    鍼灸って、私は好きなんです。ゆったりした気持ちで施術していただけるのは、気持ちが安らぎます。
    彼が独立して鍼灸をみなさんに提供している姿を見て、お客を引き寄せる(っていう表現でいいのかなあ)って難しいなって思ってます。一生懸命施術し、クチコミで患者が増える楽しさを彼は今感じているみたいで、私も応援してます。
    きっとこれが「つながり」なんでしょうね。
    クリ助さんの施術も受けてみたいなっていつも思っているんですよ^^

  2. クリ助 より:

    >なつみかんさん
    彼氏さん、少しずつ輪を広げていらっしゃるようですね♪これからもっともっとその輪が大きくなっていくことを願っています。
    それぞれの場から発生した輪が重なって、もっともっと大きな輪になったらいいな、って思っています。
    なつみかさんとブログを通じてつながっていますし、さらに鍼灸師の彼氏さんともつながっていて、ネットで本当にネット(網)だなと思います。
    また、ブログに遊びに来てくださいね!

  3. jackal より:

    >>コンセプトとは対象を明確にすること。
    つまり「どんな方に利用してほしいのか」をハッキリさせること。
    割り切ることが大事だというお話ですが、自信がないとなかなかそこまでいけませんね。
    独立したら生活掛かっているわけですし。
    でも、中途半端では返って誰からも必要とされない
    存在になってしまいますから、割り切りは重要ですね。
    非常にためになるお話でした。

  4. クリ助 より:

    >jackalさん
    割り切るのに「勇気>自信」でした(笑)
    独立する時にもっていた自信は「あきらめないぞ!」という意気込みだけでしたからね。
    おっしゃる通り、中途半端が一番マズイのかもしれませんね。

タイトルとURLをコピーしました