■鍼灸師のウデとは何か?
鍼灸業界にも経営セミナーはちょこちょことあります。
独立して8年目になるのに、これまでこの類のセミナーには行く気になれず、行き当たりばったりで来てしまいました。
「いくらウデがよくても食べていけない」という話は常識で、確かにそういうところはあると思います。自分の存在が知られていなければ依頼はやってきませんから。
依頼がなければ経験を積めないので、ウデが上がりません。だから、ウデがよいのに患者さんはいない、というのはあり得なくて、患者さんあってのウデとなります。腕は過去の症例のみで計れるものであり、これから出会う患者さんに対して保証できるものはありません。
とは言っても、どんな名人でも最初は未経験だったわけです。未経験なところに患者さんがやってきたからこそ名人になれたわけです。ウデと表現されるものには、未来への期待感が含まれると考えるべきでしょう。
ひょっとすると、経営セミナーでは、この「未来への期待感」をどれだけ膨らませることができるのか、みたいなことを教えているのかもしれません。行っていないので何とも言えないのですが…。下手に書くと混乱を招くので、これ以上推測は控えます。
私が思うのは、鍼灸師のレベルや得意分野の応じた患者さんを集めることが大事なのではないかと。私がずっと意識してきたことです。
たとえば、難病に対応できる鍼灸院が流行っているかといえば、そうではないです。難病には対応できないが、ちょっとした症状をテキパキと対応する鍼灸院もあります。
難病の方が長く通う鍼灸院もあれば、軽い症状の方が短く通う鍼灸院もあります。
前者の鍼灸院は患者さんの顔ぶれはそれほど変わらず、後者はコロコロと変わります。
たとえば捻挫してしまった時、難病を対応している鍼灸師の方が安心だとは限りません。難病の患者さんがいない鍼灸院で、足を引きずって入ってきた患者さんが普通に歩いて出て行ったなんて光景は珍しくありません。難病治療を研究するのか、テーピングを練習するのか、のように鍼灸師の努力の方向はまちまちです。ウデがよいかどうかは患者さんの要求次第。流動的なものです。
■クチコミに期待しない
クチコミはけっこう正直なもので、紹介する方は類似した症状の方を連れてきてくれます。腰痛でよい成績が出ると、次々に腰痛の患者さんがやってくる、なんてことがよく起こります。こんなクチコミの発生が自然で理想です。でも、実際はそう簡単にクチコミは発生しません。
よくあるのが、「紹介しても、鍼は怖いからイヤと言われた」という話。この地で6年以上やっていますが、このパターンは数えきれません。
クチコミは裏目に出ることも。紹介者の薦めを断り切れず渋々やって来られた患者さんの対応が難しく苦手なのです。だから、クチコミには期待しないようにしています。その方が気持ちがラクです。開業時は「クチコミ、クチコミ・・・」とつぶやいていましたが(笑)
ネットがない時代なら、クチコミを積極的に利用する経営戦略が大事だったかもしれません。でも、今は様子が違うようです。ウェブ情報を参考にしながら、自分で好きなところを探せる時代です。「相性」は行ってみて決めるのではなく、行く前に判断される方が増えたと思います。クリ助がやっている経営の工夫はここを意識するだけです。相性診断しやすい情報の提供です。何を考えているのかがわかるように頭の中を見せる、ということです。
どんなに崇高な思考ができても、書かなければ何も考えていないのと同じです。クリ助程度でも何かを書けば「こんなキャラなのね」と感じて頂くことができます。「患者が選ぶ時代」なんて言われます。特に自由診療の世界では顕著です。選ぶには材料が必要なので、その材料をできるだけ親切に(ある意味マイペースに)提供しよう、という考えなのです。
おかげさまで、情報提供がそこそこ機能しているのでブログに書くこともできます。
経営素人がやっていけている理由はここにあります(今のところ)。


コメント
もう6年くらい治療院経営の勉強をして、そこそこ結果を出している立場から一言・・・
経営は一言では言えないくらい治療と同じで一生の勉強ですね。
端的に言うと、自分のやりたい事をどのようにして相手にわかって共感してもらうか?
そして自分がどんな気をまといたいのか?
治療院内の内装からホームページ、ブログや治療方針、色、全てがその人の方向性(気)と整合性がとれているかどうか?
人の猿真似をすると自分ではない他人の方向性(気)とバッティングしますね。
まずは自分が誰なのか?を知る努力をすることが経営の一歩なのではないでしょうか?と愚考いたします。
>ムムさん
ムムさんのおっしゃるように、まさに「自分のやりたい事をどのように相手にわかって共感してもらうか」に尽きると思います。経営が上手な仲間の鍼灸師と話をしたときに感じるのは、やりたい事が明確なことです。「素性」と「やりたいこと」を伝えると、反応してくださる方ってけっこういっぱいいることがこの6年間でわかりました。
ムムさんのお言葉どおり、経営の第一歩は「己を知ること」なんだと思います。
今まさに「クチコミ」と、つぶやいてるシローっ!いやデーモンです(^^;
自分の存在を知ってもらうってのは大事ですよね☆せっかく身につけた技術も
使わなけりゃ水の泡!?私も頭の中を見せる工夫を考えております。
まだすぐは結果を出せないかもだけど、できると信じて行動するのみですわ~。
治ると信じで挑む治療は良くなるって事と同じかもしれませんね。
また色々勉強させてもらいます(^^)/
>デーモンさん
私はこうしてデーモンさんと出会い、存在を知ったわけですから、デーモンさんの行動はジワジワ効果が出ていますね。鍼灸師の存在を一緒にアピールしていきましょう!