このツボが効いた! 肩こりに魚際と列缺での巻

列缺と魚際

手首に、列缺(れっけつ)というツボがあります。

この列缺は、とても有名。

四総穴歌なんてものが、昔の中国(明代以前)に作られたようで、『針灸大全』や『針灸聚英』という医学書に記載があります。

四総穴歌というのは、

 肚腹三里に留め、腰背委中に求む
 頭項列缺に尋ね、面口合谷に収む

鍼灸師なら誰でも知っているのですが、言っていることが抽象的で意味がよくわかりません。私には、「痛みや症状と離れたところに治療ポイントがありますよ!」ってメッセージに思えます。

鍼灸の面白さとスゴさは遠隔治療にあります。四総穴歌は、真面目に書いたものではなく、「遠隔治療っていいよね」とノリで書いた可能性だってあります(証拠がないので妄想は自由)。

さて、今回の列缺。四総穴歌では「頭項」に関係しているらしいのです。ただ、頭と項(うなじ)と言われても…広すぎます。

頭痛に効くのか、頚の痛みに効くのか、これな大雑把な情報では無理です。結局、どう使ってよいのかわからないまま鍼灸師をしていました。謎解きに疲れ果てたある日、ある使い方が便利だと気がつきました。

第一胸椎の棘突起のすぐ横(夾脊)を緩めるのに、たいへん便利です。別の言い方をすると、第一胸椎の棘突起が引っ張られている(胸椎には捻れがある)状態を戻すのに便利なのです。

棘突起の右が硬い時、右にテンションがかかっています。胸椎は回旋するので、頭のてっぺんから見たら、反時計回りに捻れている状態です。

この捻れを解消するのに、列缺が役立ちます。

第一胸椎は、頚椎7つと頭部を乗せています。その役割と共に腕が動く時の支点だと考えています。特に母指側(経絡でいうと、手の太陰と手の陽明)。

 指-腕-肩甲骨-<第一胸椎>-頚椎-頭部

要するに腕と頚をつなぐポイントなのです。

「頭項」の項(うなじ)はわかったけど、頭の方はどうなのか…。

単純にですね、胸椎1番の棘突起と胸椎2番の棘突起の高さの脊柱起立筋に鍼をすると、高い確率で頭痛がその場で取れるか軽くなります。理由はまだわかりませんが、コメカミの痛みによく効きます。

・・・

今日は、もう一つのツボを紹介します。

魚際(ぎょさい)というツボです。

魚の腹に似ているから魚際と言われるようです。どうでもいいのですが、PCのマウスがネズミに似ているからマウスと名付け方が全く一緒です。今も昔も、人間の発想って同じなんですね。

さて、この魚際と関係が深いのが、頚椎7番。列缺が関わる胸椎1番のすぐ上です。ツボの位置からすると、手首より肘に向かうと列缺、手首より指に向かうと魚際があります。

魚際を使うと、頚椎の7番の捻れを取ることができます。

肩中兪とツボがこの近くにあります。

この肩中兪というツボの周りは肩こり多発地帯です。肩こりの原因はいろいろありますが、肩中兪の周辺は、頚椎7番とその下の胸椎1番の可動性の低下と関係があります。

実際の症例で見てみます。

魚際と列缺で頚椎7番胸椎1番に効かせる

頚を後屈すると痛い(上を向くと痛い)、伸展させると痛い(左前方に頭を傾けると痛い)という患者さん。列缺に鍼をしたら症状が軽くなり、残っていたので魚際にも鍼をしたらすっかり症状が消えてしまいました。

だから、ツボって面白いのです。

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コメント

  1. sano より:

    こんばんは
    今回も面白い記事ありがとうございます。
    私は肩甲間部の凝り(T3~)を取りたい時に手三里周囲を使うのですが、クリ助さんの話と合わせると、井穴に近づくほど上位の椎骨の凝りに対して有効かもしれませんね^^追試してみたいと思います。

  2. クリ助 より:

    >sanoさん
    私の使用している法則は、「井穴ほど上位椎骨」という関係ではないのです。
    でも、sanoさんのご指摘はドキッとしましたよ。魚際と列缺、ぜひ追試してみてください。同様の高価を実感できたらぜひご報告ください。
    sanoさんが手三里周囲でとっている凝りは、肩甲間部でも、肩甲骨内縁よりの方ではないですか?

  3. sano より:

    レスありがとうございます。
    追試の結果はまたご報告しますね。
    手三里の件ですが、私は肩甲骨の内側縁も脊柱も効果があるように感じています。しかし、手三里周囲の反応で、下手すると下廉上廉も含んでいるぐらいの範囲ですし、三焦経寄りになることもありますので、厳密に手三里かと言われると・・(汗
    こちらも、もう少し研究してご報告できればしますね。

  4. クリ助 より:

    >sanoさん
    突然の質問に関わらず丁寧な回答、感謝します。このコメント欄を再び来ていただけると信じていたので質問してしまいました(笑)
    手三里は、反応に応じて幅広く取られているんですね。なるほど。ぜひ、パターンが熟した際には教えてください!

  5. もりもと より:

    はじめまして。
    頸椎を一本一本緩めるツボを探していたらたどり着きました。
    鍼灸師ではなく整体師ですが、鍼灸と同じ理論でツボを使って整体をしています。
    しかし、鍼灸の方が効果がありそうです。
    とくに骨格矯正に関してはツボを使う手技に少し限界を感じていますのでスジを動かす本来の整体技を取り入れています。
    その上で細かい痛みや原因を追及するのにツボが非常に役に立っています。
    話がそれましたが陽池で骨盤の歪みが整い、足の長さが揃います。
    曲泉で骨盤の開きが改善されます。
    ツボは奥深いです。

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