突発性難聴になったら2番目に読んでほしい記事

前回の「突発性難聴になったらすぐに読んでほしい記事」の反響がとても大きかったので、難聴についてもう少し書いてみます。

耳のイラスト_音符付

私の鍼灸院は突発性難聴専門ではありませんから、症例数には限度があります。でも、群馬県の鍼灸院では多い方だと思います(ひょっとすると一番多いかも)。

最近の症例でアップしたものは、病院での聴力検査(オージオグラム)があるものだけです。客観的なものを出したかったからです。

■突発性難聴に伴う耳鳴り

突発性難聴に伴うのが耳鳴りです。耳鳴りは、患者さんの自覚症状を聞き取りして好転しているかどうかを判断しなければなりません。「治った」という証言があるのみで客観的なデータが取れません。

難聴レベル dB:デシベル
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【正常】 0~25dB 
【軽度】 25~40dB 小声だとやや聞き取り難い
【中度】 40~70dB 普通の会話の聞き取りが困難
【高度】 70~90dB 耳元の大声なら聞こえる
【聾】  90dB~ 殆ど何も聞こえない
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突発性難聴に伴う耳鳴りの場合、治療法は突発性難聴と全く同じです。聴力が回復すれば耳鳴りが軽くなると考え治療をしています。実際に聴力が改善するにつれ、耳鳴りが軽減していくことがほとんどです。

ただし、聴力がほとんどない状態(90dB~)から治療を始めた場合は、むしろ耳鳴りが出てくることがります。何も聞こえない状態では耳鳴りがないことがあり、聴力の回復と共に耳鳴りが出現します。その耳鳴りにも特徴があり、回復し始めた音域付近の耳鳴りが起こるのです。あくまでも自覚症状を聞きとった話です。

治療を始めた途端に耳鳴りが出るので、患者さんはこの時期はストレスが溜まります。聴力をグンと上げてサッとこの時期を通り超すように最善を尽くします。前もって説明しておかないと、実際に聴力は回復しているにの「ハリを受けたら余計に悪くなった」と言われてしまいます。せっかく良くなっているのに治療をやめてしまう場合があるから事前説明がとても大切です。

40dB~70dBくらいで耳鳴りがある方は、聴力がアップすると同時に耳鳴りが軽減していきます。「聞こえが良くなって、耳鳴りも消えてきた」という証言にすぐになります。ですから、「聴力が良くなると耳鳴りが減っていきますよ」と説明しています。

■難聴と耳鳴り音域の関係

音符私の臨床経験では、難聴音域と耳鳴りの音域には相関関係があります。既に常識であったら私の知識不足ですから読み流してください。

低音難聴(低音が聞きとりにくい)の時は、耳鳴りも低い音です。「ゴォー」とか「ボー」と表現される方が多いです。高音難聴(高音が聞きとりにくい)の場合は「キーン」という音に。低音も高音も低い場合は、混ざった音になります。

ここで一つの仮説が立てられます。脳は聞こえない部分を補正するように働くのではないかと。。本来聞こえてくるはずの音が脳に伝わらなくなると、「聞こえるべきだ」として、聞こえるようにその音域の感度を上げてしまうのではないかと考えています。

私のPCに接続されている安物スピーカーは、PCが何も音を出していないのにボリュームを上げていくと、「シー」という音を出します。スピーカーではなくPC内アンプの影響かもしれませんが、いずれにしても、こうした本来は必要ない音は「ノイズ」と呼ばれていると思います。

出力を例にしましたが、入力の時にも同じことが当てはまると思います。音が聞こえやすいように、脳がどんどん感度を上げていくとノイズ(耳鳴り)になってしまうのです。

この仮説が正解かどうかわかりませんが、聴力の回復と耳鳴りに相関関係があることは、患者さんの証言から間違いありません。ただし、時に例外もあるので注意が必要です。難聴部分と耳鳴りの音域(証言)が合わないこともあります。

■閉塞感(耳閉感)の正体

トンネル突発性難聴に伴うつらい症状に、耳の閉塞感があります。文字通り、耳が塞がったような感覚がする症状です。「水が入って取れない感じ」や「トンネルに入った時の感じ」と表現される方が多いです。この閉塞感はとてもつらそうです。

実際には何もつまっていません。なぜ、このようなことが起こるのか、本当のところはわかりませんが、私は、閉塞感はコリ感の一種だと思っています。首や肩のコリ感は血流が悪化すると感じます。これと全く同じで、耳の血行不良は「つまり」として感じると考えています。

首や肩のコリを取る要領で、耳にもっとも近い顎関節を緩めていくと、つまりが軽減します。同じタイミングで聴力が回復することが多いです。耳がつまったまま聴力が回復する例は、ほとんどないので、私は、この「つまり感」を重視しています。聴力を回復させたいなら、閉塞感は必ず取らなければならないと考えています。

■突発性難聴の治療法

基本的な考え方は、耳の内部の血行を改善させるように組み立てます。だからといって、耳の周辺にたくさん鍼をしたり、強い鍼をすることはありません。返って、緊張してしまう場合があるからです。

多すぎたり強すぎると逆効果になります。

前回に書いたように、基本的には肩こり治療です。ただし、私がやっているのは一般的な方法とは少し違います。頚や肩のコリコリする所に鍼を刺していくわけではありません。深く効かせるためには、なぜ、その筋肉がコリコリしているのか、というところまで溯る必要があります。そうして出てくる答えが背中なら背中に、手なら手に、足なら足に、鍼をします。

9割は、肩こりの患者さんと同じような治療をしているだけです。残りの1割で、自覚症状があってもなくても、側頚部のコリ(緊張)を丁寧に取るように心がけています。難聴のある耳側の側頚部が例外なく緊張しています。

中渚鍼灸師の間では、耳鳴りの特効ツボとして「中渚(ちゅうしょ)」が知られています。手の甲にあるこのツボは、側頚部の緊張を緩めてくれます。突発性難聴や耳鳴りのツボとしてとても有効です。

ただし、頚や肩のあちこちが凝っている状態で使っても効果がほとんどありません。頚コリ、肩こりがきっちり取れている前提で使わなければ、ほとんど意味がありません。ヒーローが最後に必殺技を出すように、中渚も同じ使い方が必要です。

■時間が経った難聴でも

今日は、最後に時間が経ってしまった難聴の症例を紹介します。回復することもあるが、完全回復は難しいというが今のところの結論です。でも、引き受けたものは最善を尽くしています。

この症例は、5年以上前に難聴になり、来院の1~2ヶ月前にさらに悪化してしまったものです。正直なところ、何年も経ってしまったものは改善が難しいです。直前の悪化した分は取り戻せるかもしれない、ということで引き受けました。週2回ペースの治療で、完全とはいきませんでしたが回復しました。

YMTS050214

この結果に、患者さんも、私も、大喜びです。
詳しく見る≫症例8(養気院)

続きを読む≫突発性難聴を半年経ってから治療した症例

突発性難聴の鍼灸治療を受けるには・・・
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鍼灸ルーム品川カポス(東京都港区)
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